モトリーフール米国本社–2026年8月18日 投稿記事より
エヌビディア[NVDA]以外の半導体株で、2026年これまでのところ実際にエヌビディアを圧倒するパフォーマンスを上げている銘柄を探しているなら、注目すべきはクレド・テクノロジー・グループ・ホールディング[CRDO](以下、クレド)でしょう。
同社の事業はGPUほど華やかな分野ではありませんが、今回のAIサイクルにおいてGPUと同じくらい重要な役割を担っています。クレドはAIインフラ構築を支える接続技術を担っており、市場もその価値を織り込み始めています。同社株は2026年80%上昇している一方、エヌビディアは20%の上昇にとどまっています
クレド[CRDO]の事業:GPUをつなぐ「高速通信」がAIインフラのカギに
電力消費を抑え、配線を簡素化し、物理層でのコストを削減可能な製品を提供
クレドはデータセンタ向けの高速接続技術を専門に手掛けており、特に、数千基のGPUが連携して動作する環境での、アクセラレーターへのデータの入出力や、ラック間でのデータ転送を担うリンクに強みを持ちます。同社は、アクティブ電気ケーブル、SerDes(シリアライザ/デシリアライザ)チップ、IPブロックを販売しており、それらはハイパースケーラーがラック内で光ファイバの代わりにより安価な銅線を用いて800Gb(ギガビット/秒)および1.6T(テラビット/秒)接続を実現することを可能にします。
専門的に聞こえるかもしれませんが、実は非常にシンプルな話です。AIクラスターがアクセラレーター数千基から数万基規模に拡大するにつれ、ネットワークがチップと同じくらい重要となります。データを高速かつ効率的に移動させることができなければ、それらの高価なGPUは稼働せず、ただ待機している状態になってしまうからです。クレドの製品は、電力消費を抑え、配線を簡素化し、物理層でのコストを削減することで、クラウド事業者が予算を大きく膨らませることなくAIインフラを拡張することを可能にします。
AIインフラの必須技術へ、クレドの存在感が急上昇
この2年間でクレドに起きた変化は、こうした高速接続技術が「あれば便利なもの」から「不可欠なもの」に変わったことです。ハイパースケーラーは次世代AIポッドを稼働させるために、クレドが提供するような接続技術を用いたアーキテクチャを標準化し始めており、複数のクラウド事業者がクレドの売上高の10%超を占めるまでに拡大しています。クレドは単なる小規模サプライヤーではなく、大手テクノロジー企業が実際にAIデータセンタを構築するうえで不可欠な存在となっています。
クレドをめぐる論評にもそうした変化がみて取れます。最近では、クレドはニッチな半導体設計会社というより、「高速かつ重要性の高いAIインフラ関連銘柄」と位置付けられるようになっています。株価もそれに追随し、配線が演算能力と同様にAIのボトルネックとなり得ることを投資家が認識するにつれ、同社株はここ数年で半導体株指数全体を大きく上回る上昇を遂げています。
高成長だけではない、クレドが市場から評価される理由―AI需要と高い収益性
市場がクレドをこれほど高く評価している理由は、単に成長だけではありません。同社の事業構造そのものも理由の一つです。同社はハイパースケーラー向けの大型契約に対応して出荷数量を拡大しつつ、小規模なハードウェアベンダーというより、成熟した半導体大手に近い水準の粗利益率を維持できることを証明しています。
また、特定のベンダーの製品ロードマップに縛られることなく、エヌビディアとアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]のアクセラレーターの販売拡大から恩恵を受けられる有利な立場にあります。今後も旺盛なAI需要が続くとすれば、それらのチップ間でも高速にデータをやり取りする必要があります。これはクレドのビジネスが増えることを意味します。
現実的なリスクも存在します。接続技術における競争は厳しく、ハイパースケーラーとの価格交渉も厳しいものがあります。また、クレド株式のバリュエーションは上昇しており、新たな通信規格が登場しても、同社がソケットシェアを獲得し続けることができるとの想定を織り込んでいます。それでも、AIインフラの構築が今後も規模・複雑性の両面で拡大していくと考えるなら、投資家がクレドをそのテーマに乗るための有力な投資先と見なしてきた理由は容易に理解できます。
コーニング[GLW]:AIブームの裏側で輝くもう一つの勝者
少し視野を広げると、AIブームの裏に隠れたもう一つの勝者が見えてきます。それがコーニング[GLW]です。クレドはラック内およびラック間の接続を扱っていますが、それらのラックは膨大な量の光ファイバで結ばれたデータセンタ群の中に設置されています。
コーニングは、その光ファイバガラスを供給しています。例えば、メタ・プラットフォームズ[META]は、同社のAIデータセンタ向けに2030年までにコーニングから最大60億ドル相当の光ファイバケーブルを調達する契約を締結しており、これはAIが従来型クラウドよりもはるかに大量の光ファイバを必要とすることを反映しています。
コーニングは2026年のOFCカンファレンス(光ファイバ通信会議)で、1本のファイバーやダクトに、より多くの通信容量を詰め込めるマルチコア・ファイバーと高密度マイクロケーブルを発表しました。これらの製品は特に、配線を増やすための物理的スペースが不足しつつあるAIデータセンタ向けに提案されたものです。言い換えると、クレドとコーニングは、本来そのような負荷を想定して設計されたわけではないネットワークで、いかにしてより大量のデータをより低コストで伝送するか、という同じ課題を2つの側面から解決しようとしているのです。
AIサイクルの新たな勝者「スーパー半導体企業」を見極めるための広範な真実
今後もエヌビディアは、AIにおけるコンピューティングの主役であり続けると思われる一方、2026年のクレドに対する市場の熱狂は、接続インフラを握ることも同じくらい価値があることを示しています。そこにコーニングの光ファイバまで含めて考えると、より広範な真実が見えてきます。今回のAIサイクルで新たな勝者「スーパー半導体企業」になろうとしているのは、それらのチップを実際に稼働させる役割を担う企業なのです。
免責事項と開示事項 記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Micah Zimmermanは、記載されているどの銘柄の株式も保有していません。モトリーフール米国本社は、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ、コーニング、メタ・プラットフォームズ、エヌビディアの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社は情報開示ポリシーを定めています。
