現在のファンダメンタルズ:米国CPI・PPIで米金利低下もリスクオフが続く
先週(7月13日週)のレンジと終値(マネックストレーダーFXのBidレート)
・米ドル/円: 161.595円~162.543円 162.404円
・ユーロ/米ドル:1.13761ドル~1.14821ドル 1.14378ドル
・ユーロ/円: 184.407~186.031円 185.766
先週(7月13日週)の為替市場:米ドル売り材料後の米ドル買い戻し
7月13日週の為替市場はイラン情勢の不透明感が高まる中、米国CPI・PPIが予想よりも弱かったことを受け米金利が低下し、米ドルの上値を抑えやすい材料となりました。一方で、ウォルシュFRB議長をはじめ複数のFRB関係者は引き続きインフレ警戒感を高めていることもあり、米ドル売りも限定的な動きとなりました。
イラン情勢は一段と深刻さを増し、米国・イラン双方の攻撃が続きました。イランによる湾岸諸国にある米軍基地への攻撃やタンカーへの攻撃も発生し、イラン情勢は一段と緊迫してきました。
日本が祝日となる20日のNY原油は85ドル台に乗せて始まり、その後も高値圏での売買となっていますが、米ドル/円、ユーロ/米ドルとも、思いのほか反応が鈍く先週(7月13日週)後半のレンジから若干米ドル買いに振れたものの、その後はレンジ内に戻す動きとなり、取引がスタートしました。
今週(7月20日週)以降、米軍による攻撃がさらに強まるかが焦点に
米国CPI・PPI、ウォルシュFRB議長の議会証言など、米国からの材料は一巡しました。イラン情勢は悪化しているものの、市場参加者としては、これまでに起きた最悪の事態の範囲内という認識なのでしょう。NY原油が時間外取引で上がった程度で、株価指数も為替市場も反応が少ない印象です。
今後、米軍による攻撃がさらに強まり、トランプ米大統領が当初発言していたようなイランを壊滅させるような動きに発展する可能性があるのかを、今週(7月20日週)以降見極めていくことになります。しかし、ウクライナ戦争を見ていてもドローンの登場でこれまでの戦争とは明らかに様相が異なり、弱い側(今回はイラン)が粘ることで泥沼化していくリスクは低くないように思えます。
そうなると、リスクオフ相場が再開し、原油高、株安、米ドル高という流れが強まるでしょうから、状況の進展を見守るしかないというのが多くの市場参加者の共通認識であると言えるでしょう。
米ドル/円チャート(週足)、上昇トレンド継続も介入警戒感は残る
長期的な判断は週足で行います。
米ドル/円の上昇トレンドは続いているものの、介入警戒感も後退したとはいえ残っているため、年初来高値圏でのもみあいが続いています。ただ、サポートは水平線に示しているように161.949(2024年高値)、160.723(2026年の介入前高値)などありますが、目立ったレジスタンスはありません。
年初来高値162.839は近すぎますし、過去のレートから計算されるターゲット(1985年高値と2011年安値の半値戻し169.19など)は逆に離れすぎています。当面は、節目の大台165円がレジスタンス兼ターゲットとなりやすい水準とみてよさそうです。
・上昇トレンド=週足終値が移動平均線の上にある
・下降トレンド=週足終値が移動平均線の下にある
トレンド転換の判断はダマシを排除するため、2週連続で移動平均線を上回るか、下回った時にトレンドが転換したという見方をします。
米ドル/円チャート(日足)、7月7日のゴールデン・クロス状態が続く
短期的な判断は日足で行います。
7月7日のゴールデン・クロス(GC)状態が続いています。2本の移動平均線の距離は開いているように感じますが、最近は徐々に値幅を狭め、緑のサポートラインとピンクのレジスタンスラインに挟まれる形で、トライアングルを形成しているように見えます。
ただ、このトライアングルもほぼエイペックス(頂点)に達しつつあり、上下ともにかなり近い水準にあるため、仮に抜けたとしてもあまり勢いが出ないパターンになりつつあります。
それでも、短期的には抜けた方向に動きやすいため、まずはどちらに抜けるのかを見極める必要があります。サッカー・ワールドカップも終わったので、欧米勢が相場に戻ってくれば多少は値動きが出てくるのではないかと思います。
・買いシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を下から上に抜くGC
・売りシグナル=終値移動平均線が始値移動平均線を上から下に抜くDC
短期上昇トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の上で推移し、短期下降トレンドの間は終値移動平均線が始値移動平均線の下で推移します。通常の2本の移動平均線で言えば、終値が短期線の役割、始値が長期線の役割を果たしていると考えるとわかりやすいでしょう。
※マネックストレーダーFXでは、移動平均線の設定画面で始値を選択することができます。
ユーロ/米ドルは横方向の動き、方向感もはっきりしない状態が続く
ユーロ/米ドルのチャートをみていきます。
週足チャート(図表3)ではユーロ/米ドルは先週(7月13日週)よりは動いたとはいえ、週間レンジは100pips強にとどまり、方向感もはっきりしない状態が続いています。
引き続き青のラインと緑のラインに挟まれた下降ウェッジの中で米ドルが強い地合いであることから下抜けをトライしたい局面に見えますが、思いのほかサポートが効いていて売りが続きにくい流れになっている様子です。
日足チャート(図表4)では7月10日にデッド・クロス(DC)となった後、7月14日にゴールデン・クロスへと転換しました。底堅い動きが短期的には買いシグナルにつながり、現状はピンクの平行上昇チャンネル内での動きと見ることができます。ただ、トレンドはあくまでも米ドル高・ユーロ安にあることは意識しておく必要があるでしょう。
ユーロ/円は移動平均線上抜け1週目
ユーロ/円(図表5)は下降トレンドにありましたが、先週(7月13日週)の週末終値で20週移動平均線を上抜けて引けたため、上抜け1週目となりました。今週(7月20日週)の週末の終値も移動平均線の上で引ければ、上昇トレンドに戻る見込みです。
ただし、移動平均線がほぼ平らな状態で、ローソク足が移動平均線にまとわりつくような動きが続いていますので、当面は上昇トレンドも下降トレンドも長続きしにくいと考えておくほうがよさそうです。
日足チャート(図表6)では7月13日にダマシのデッド・クロス(DC)の後、1日を挟んで7月14日に再びゴールデン・クロス(GC)状態となりました。これは、ピンクの上昇ウェッジ内での動きと見てよさそうですが、現在のGC状態が続き、上側のラインを上抜けすると6月17日の戻り高値186.314を試す流れにつながっていきそうです。
ただ、主要3通貨ペアとも方向感がはっきりしない地合いにありますので、テクニカルにも悩ましい段階にあると言えます。
それでは今週も良いトレードを!
