メキシコペソ/円は「二番天井」か=円安終了の可能性浮上

メキシコペソ/円は、2020年には4円台で推移していたが、その後9円を大きく超えるまで、なんと倍以上の値上がりとなった(図表1参照)。人気の最大の理由は、政策金利が一時10%を大きく上回るまで上昇し、足下でも6.5%と日本を大幅に上回る高金利だろう。メキシコペソ/円の買いは、大幅な値上がりと金利差により大きな利益が見込まれたことから、個人投資家にも人気の通貨ペアとなっていた。

【図表1】メキシコペソ/円の月足チャート(2020年~)
出所:マネックストレーダーFX

そのメキシコペソ/円は、2024年7月に米ドル/円が急落した局面では大きく下落したものの、2025年に入り上昇が再燃した。ただ2024年5月に記録した高値を更新する寸前で下落に転じると、9月は大幅な陰線(メキシコペソ安・円高)となった。これまでのところ、いわゆる「二番天井」という上昇相場の転換の可能性を示す値動きになっている。

9月に152円まで下落した米ドル/円は、その後一時159円まで上昇するなど、根強い円安傾向は変わらない。それに対しメキシコペソ/円は、7月末の日米協調介入を受けた米ドル/円の急落局面で記録した安値も大きく割り込むなど、円高トレンドへの転換が注目される動きとなってきた(図表2参照)。

【図表2】メキシコペソ/円の日足チャート(2026年6月~)
出所:マネックストレーダーFX

歴史的上昇相場のスイスフラン/円にも変化の兆し

もう1つ、ここ数年、個人投資家の人気を集めていた通貨ペアにスイスフラン/円がある。スイスフラン/円は、2020年3月のいわゆる「コロナ・ショック」が起こった頃は110円程度で推移、米ドル/円との水準に大きな違いはなかった。ところがその後は、一時200円以上に上昇した(図表3参照)。

【図表3】スイスフラン/円の月足チャート(2020年~)
出所:マネックストレーダーFX

スイスは現在ゼロ金利政策を行っていることから、日本よりむしろ金利の低い通貨にもかかわらず、スイスフラン買い・円売りが長く続き、米ドル/円を大きく上回るほど上昇した。その理由の1つとされたのが金相場の上昇との連動だ(図表4参照)。

【図表4】スイスフラン/円と金相場(2025年1月~)
出所:LSEG社データよりマネックス証券が作成

国際情勢の不透明感などを理由に、金相場は2026年にかけて歴史的上昇相場を演じたが、安全資産と位置付けられるスイスフランも金と同じような理由で選好された。その結果、金利差では説明できないほどの上昇相場が展開したとみられてきた。

2026年前半に金相場の上昇が一段落すると、そのスイスフラン/円の上昇も一巡。2026年に入ってからは198~204円と狭いレンジでの小動きが続いていた。しかし、7月末の日米協調介入をきっかけとした米ドル/円の急落に連れてレンジを「下放れ」すると、その後も下落傾向が続いた(図表5参照)。

【図表5】スイスフラン/円の週足チャート(2025年3月~)
出所:マネックストレーダーFX

クロス円で広がる円高への転換の可能性

米ドル/円を見ていると、7月末の日米協調介入後も根強い円安傾向に変わりはないものの、米ドル以外の外貨と円との通貨ペア、いわゆるクロス円には協調介入以降円高への変化の兆しがみられる。特に、メキシコペソ/円やスイスフラン/円という個人投資家の人気通貨で円高の動きが目立ってきた点は興味深い。

こうしたクロス円の円売りポジションを手仕舞うことに伴う円買いの動きは、米ドル/円でも円安を抑制する要因になっている可能性がありそうだ。