短期の焦点は原油高と金利上昇、政策の変化が株価の波乱要因

・5月14日にS&P500が場中最高値を7,517ポイントに更新し、年央に向けて米国株の底堅さが続いた。第2四半期入り後の騰勢はS&P500が+13.4%、ナスダック100が+22%と強い。

・ホルムズ海峡を巡る緊張でブレント原油は1バレル100ドル超、110ドル近辺で高止まり。高止まりが長引くとインフレ圧力が強まり、FRBは緩和バイアスから引き締めバイアスへ傾く可能性が高まる。7月利上げ観測が浮上し、6月利上げも排除できないとの見方が出た。

・米10年債利回りは一時4.6%台まで上昇。原油高が続く場合、4.75~5.0%までの上昇余地がある。金利上昇による米国株の短期調整は起こり得るが、ガソリン価格抑制の政治的圧力も強く、中東・イラン情勢の沈静化に向けた動きが強まる可能性がある。

中期は企業利益の力強さと裾野の拡大が相場を支える

・2026年1―3月期のS&P500のEPSは、決算前予想の前年比+12.4%に対し、実績+27%と大幅上振れ。2023年第3半期から11四半期連続の増益となり、先行EPSは355.99ドルで過去最高を更新した。

・S&P500の先行PERは直近の底値18.1倍から21.1倍へ上昇。バリュエーションは切り上がったが、強いファンダメンタルズに裏打ちされた評価拡大である。四半期ベースのコンセンサス上方修正の速さも異例だ。

・業績の裾野も広い。S&P500の85.6%が12ヶ月先EPSで増益、89.4%が売上増を示す。中型・小型株のEPS見通しも上向きで、AIの恩恵は特定の関連大型株に限らず全体へ広がっている。半導体は過熱感が出る一方、AI代替懸念で売られてきたソフトウェアは反発基調にあり、ローテーション継続の余地がある。

材料とシグナル、リスクの整理:エヌビディア、広範な上昇サイン、地政学

・直近の最大材料はエヌビディア[NVDA]の決算で、データセンター需要、次世代半導体の動向、ガイダンスが市場心理を左右する見通し。通過後は材料が乏しく、数週間は横ばい、ないし小幅調整も想定される。

・2026年末のS&P500の目標は7,700ポイント。マグニフィセント7が頭打ちでも、残る493銘柄の業績改善で指数を下支えできるとの見立てである。

・S&P500、ナスダック総合、ラッセル2000が同時に6週連続上昇する稀な事象が発生。1979年以降で過去11回の類例では、3ヶ月後の中央値+7.3%(上昇確率70%)、半年後+10%以上(90%)、1年後+21.6%(90%)と中長期の上昇を示唆。主なリスクは地政学的衝突とインフレで、2026年の年初に意識されていたAIバブル懸念は後退した。