トレンドライン上を維持してAI相場と高市トレードの崩壊を回避!

前回のコラムでは「25日移動平均線とトレンドラインのどちらをブレイクするかが注目ポイントになりそう」と指摘しましたが、結果は5月13日と8月18日の終値と終値を結んで延長したトレンドライン上を維持するとともに、12月4日には1,163円高となって一気に25日移動平均線を上回りました。また、この上昇後も株価が上向きの5日移動平均線上を維持したことから、5日と25日移動平均線がゴールデンクロスするとともに上昇トレンド入りを示唆する格好となっています。

ただ1つ注意点もあります。それは、25日移動平均線が下向きに変化していることです。今後上向きの5日移動平均線上を維持することが、AI相場と高市トレードが継続するためのカギになるでしょう。仮に5日移動平均線上を維持する場合、25日移動平均線が上向きに変化して上昇トレンド入りする可能性が高まり、10月31日につけた高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。

一方で、5日と25日移動平均線を下回って戻せなくなった場合、5日移動平均線が下向きに変化して上値の抵抗になるとともに、25日移動平均線を下回るデッドクロスが発生してトレンドラインを下回り、下降トレンド入りすることが考えられます。FOMC(米連邦公開市場委員会)後の株価の方向がはっきりするまで、慎重に売買したいところです。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※移動平均線の期間は5日(青線)、25日(赤線)、75日(グレー線)で設定
※出来高はプライム市場
※モメンタムの期間は10日(青線)で設定し、モメンタムの3日移動平均線(赤線)も表示

モメンタムの上昇が高値更新をアシストするか?

そうしたなか、今回も注目しておきたいのが、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムの向きと水準です。前回は「2本線の水準が切り上がるかが注目ポイント」としました。指摘した通り、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が水準を切り上げ、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを上回りました。そのため、12月4日に5日移動平均線と25日移動平均線を一気に上回るとともに、5日移動平均線上を維持する結果となっています。

こうした状況から今週(12月8日週)は、引き続き2本線の上昇が続くかが注目ポイントです。仮に2本線の上昇が続くようなら、勢いが強まってモメンタムが上昇をアシストすることになり、トレンドライン上を維持するとともに高値に接近したり、上回ったりすることが視野に入ると考えられます。

一方で、2本線が上昇しても限定的だったり、下向きに変化して0ラインを下回って戻せなくなったりするようなら、下落の勢いが強まり、5日と25日移動平均線を一気に下回ってデッドクロスすることが考えられます。モメンタムの低下と0ライン割れには注意が必要です。