2025年12月1日(月)8:50発表
日本 法人企業統計2025年7~9月期

【1】結果:企業業績は売上振るわずも、経常利益は前年同期比19.7%増と大きく上昇

財務省が発表した四半期別法人企業統計では、2025年7~9月期の企業売上は、前年同期比0.5%増と小幅ながらプラスとなり、18期連続で拡大しました。製造業における伸びの減速が大きく、営業利益においては、2四半期連続で前年同期を下回る結果となりました。非製造業は売上こそ横ばいですが、利益は二桁増と堅調さがうかがえます(図表1)。

【図表1】法人企業統計 前年同期比の推移(金融業・保険業除く、%)
出所:財務省よりマネックス証券作成、設備投資はソフトウェア投資を含む

資本金レンジごとに売上・経常利益を比較すると、企業規模問わず、売上は振るわなかったものの、利益を伸ばす結果となりました。売上からは米国による関税の影響が相応にあったものと推察されますが、コスト抑制などから利益を残せたものと考えられます(図表2)。

【図表2】資本金別 2025年7~9月期の業績伸び率(前年同期比、%)
出所:財務省よりマネックス証券作成

【2】内容・注目点:設備投資は伸び悩みも反転材料が多数

設備投資を確認すると、GDPの2次速報に用いられるソフトウェアを除いた同指標は前期比0.3%減と6期ぶりにマイナスとなりました(図表3)。内訳をみると、製造業が同5.2%減、非製造業が2.7%増となりました。図表1の通り、売上ないしは利益の減少が製造業の設備投資を縮小させたものと考えられます。これを受けて、GDPの改定値では企業設備投資が下方修正される可能性があるでしょう。

【図表3】設備投資の推移(季節調整済、前期比、%)
出所:内閣府、財務省よりマネックス証券作成、GDPは1次速報ベース

一方で、前年同期比ベースを見ると業種間ではまちまちですが、全体では前年同期比2.9%増とそう悪くない数字であり、またAIやデータセンター需要は国内外問わず旺盛である点や、高市政権下で実施される「危機管理投資・成長投資」に、執筆時点では6.4兆円の資金が振り向けられる点を考慮すると、先行きにおける設備投資需要は底堅いものと考えられ、上図の指標も上向いていく公算が高いでしょう。

【3】所感:国内もAI関連が堅調 先行きは政府の投資施策が国内設備投資を下支えか

経常利益が20%に近い水準で伸びるなど、想定以上に堅調な企業業績となりました。輸送機器などは関税の影響から伸び悩んでいるものの、AI関連は強く、電気機械や生産用機械が上昇に寄与しました。AI関連においてはバブル懸念が指摘される局面で、関連する設備投資には不安材料も残るものの、上述の通り、高市政権下での投資促進政策が国内需要を下支えするものと考えています。

マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太