1月効果の実像とエントリー時期
・第二次世界大戦後、東証再開後の月別勝率を出すと、1月は68%、12月は63%と高水準。12月は期間で差が大きく、上旬(~10日)は53%、中旬~下旬は66%、クリスマスから大納会まで(掉尾の一振=サンタクロースラリー)は74%と最も高い。
・背景は需給要因が大きく、外国人投資家がクリスマス休暇前にポジションを縮小し12月前半は軟化しやすい一方、年初には再投資が入りやすく1月が強含みやすい。
・実務的には12月中旬からのエントリーで年越し保有という構えが取りやすく、年初から春先(目安は4月)までの上昇を取りやすい一方、5月は弱含みやすいという季節性がある。
年末~年度末の業績季節性と相場の土台
・企業ガイダンスは保守的に出る傾向にあり、年度末にかけて上方修正や上方着地が生じやすい。これが年初~春先の株高の下支えになりやすい。
・現在は市場全体のPERが約18倍超で高水準にあり、今後は利益成長の実現度合いが価格付けの焦点になる。
・こうした環境下では、需給の季節性に加えて業績の上振れ期待が重なりやすい時期特性が意識される。
PEGレシオを用いた年末の銘柄選別の考え方
・PEGレシオは成長株評価に適するバリュエーションで、定義はPEG=PER/成長率。おおむね1未満で相対的な割安感が意識される。PERの単純比較では把握しづらい「成長で正規化した割高・割安」を示す。
・具体的には「PER=今期予想PER」「成長率=来期の営業利益成長率(営業増益率)」が検証の結果フィットしやすい。長期では有効性が安定する一方、相場局面により効き方が変わるためタイミングが重要になる。
・低PEGのスクリーニング例として、霞ヶ関キャピタル(3498)、日東紡績(3110)、ダイヘン(6622)、セガサミーホールディングス(6460)、横浜ゴム(5101)、日本マイクロニクス(6871)、大阪ソーダ(4046)、任天堂(7974)などが挙がり、半導体関連や不動産関連が目立つ傾向があった。
