【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 47,632.00 ▼74.37 (10/29)
NASDAQ: 23,958.47 △130.98 (10/29)
1.概況
前日の米国市場は高安まちまちでした。10月のFOMC(米連邦公開市場委員会)終了後にパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が、12月の利下げが既定路線ではないとの認識を示し、利下げ継続への期待感が後退したことが株価指数の重荷となりました。
ダウ平均は40ドル高の47,746ドルと小幅高で取引を開始しました。早々に48,000ドル台をつけるなど堅調な推移となるも、FOMCの結果を受け後半にかけて売られ、最終的に74ドル安の47,632ドルと5日ぶりに反落しました。
同様にS&P500株価指数も小幅ながら売られ、0.3ポイント安の6,890ポイントで5日ぶりに反落となりました。一方でハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は130ポイント高の23,958ポイントで5日続伸となりました。
2.経済指標等
28-29日に開いたFOMC(米連邦公開市場委員会)でFRBは前回9月に続き0.25%の利下げを決定したほか、量的引き締め(QT)を12月1日で終了することを決定しました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち4業種が上昇しました。情報技術とコミュニケーション・サービスがともに1.1%高となりました。エネルギーと資本財・サービスが1%未満の上昇となりました。一方で7業種が下落し、不動産が2.7%安で下落率トップとなりました。生活必需品も2%台の下落となり、素材と金融が1%台の下落となりました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄は30銘柄中7銘柄が上昇しました。中でも通期の売上見通しを上方修正したキャタピラー[CAT]が11.6%高で大幅高となりました。また、エヌビディア[NVDA]が3.0%高となり、時価総額が世界で初めて5兆ドルを突破しました。一方で、23銘柄が下落し、決算発表をしたボーイング[BA]が4.4%安で下落率トップとなりました。ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とナイキ[NKE]が3%台の下落となり、コカコーラ[KO]など3銘柄が2%台の下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、旅行予約サービスを手掛けるブッキング・ホールディングス[BKNG]は通期の旅行需要見通しが市場予想を上回るも、AIの台頭により売上が抑制される可能性が懸念され、売り材料となり、0.9%安となりました。カジノリゾート運営のシーザーズ・エンターテインメント[CZR]は決算内容が振るわず、15.2%安となりました。
5.為替・金利等
長期金利は、前日比0.11%高い4.08%となりました。30日朝のドル円は152円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
12月の利下げ期待が後退したことでダウやS&P500銘柄が売られました。これを受けて、本日の日本市場は売りが優勢でのスタートが予想されます。一方でエヌビディア[NVDA]を中心にハイテク株は強く、この点は日経平均を下支えするものと考えられます。本日はお昼ごろに日銀金融政策決定会合の結果が公表されるほか、大引け後には植田日銀総裁の会見が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
