BTCは10月10日(金)の急落後、一時的に反発したものの、再び下押しする展開となりました。米中貿易摩擦の懸念に加え、先週(10月13日週)は米地方銀行の信用不安が浮上し、米株市場も一時的に反落。暗号資産市場もその影響を受けて軟調に推移しており、株式市場以上に不安定な動きとなっています。

今週(10月20日週)は、日程変更となった米CPIが10月24日(金)に発表される予定です。月末のFOMC(米連邦公開市場委員会)を控えた臨時措置とのことで、政府機関閉鎖中でも例外的に公表される見込みです。

BTC(ビットコイン)は200日移動平均線でサポート、4時間足では下落トレンドにブレーキ

BTC/JPYの日足チャートから見ていきましょう。BTCはSMA200(橙)でサポートされた後に反発し、週末は小動きとなりました。ただし、直近安値を日足ベースで割り込んでおり、チャート形状的には下方向へのリスクも残ります。

高値圏でのレンジを維持できるか、それとも割り込んで年末ラリーが失速するかの分岐点にあると言えるでしょう。

まずは下落トレンドの勢いを止めるために、SMA90(水色)とSMA200(橙)のレンジ内で推移する展開が個人的には望ましいと考えます。

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、BTC/JPYの4時間足チャートです。下降トレンドラインを右方向に抜けており、下落トレンドにブレーキがかかりやすい局面です。一定の戻りも入りやすく、押し目買いがワークしやすい状況と言えます。

MACDはダイバージェンスを形成しており、反発シグナルが点灯中です。目先はSMA200(橙)が位置する1,720万円付近まで上値を伸ばせれば、日足レベルでのレンジ相場入りも視野に入ります。まずはこの反発シナリオを意識しつつ、押し目買いトレードを継続したいと思います。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH(イーサリアム)は48万円ラインに注意、4時間足で反発の兆し

ETH/JPYの日足チャートでは、下髭をつけながらも安値を徐々に切り下げる形状が続いています。SMA200(橙)は48万円付近を推移しており、反落が進む場合はこの水準までの下押しを警戒する必要があります。

一方、上値はSMA30(黄色)やSMA90(水色)が位置する63万円前後が戻りの目安です。この価格帯まで反発した場合、含み損ポジションの解消や、利益確定の好機となるでしょう。私自身も、この付近では一度ポジションを軽くする予定です。

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

ETH/JPYの4時間足でも、BTC同様に下降トレンドラインを右抜けしており、反発の兆しが見られます。現在はやや長い陰線が出現しており、押し戻されるかどうかの局面ですが、SMA30がサポートしている点から反発の可能性は高いと見ています。

個人的には、この付近から押し目買いエントリーを狙い、SMA90(水色)~SMA200(橙)が位置する63~64万円付近をターゲットとするトレード戦略を想定しています。4時間足と日足のレジスタンスが重なるため、上値は抑えられやすいものの、一時的な反発を狙うには十分な局面と言えるでしょう。

【図表4】ETH/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

米中貿易摩擦や米地銀の信用不安といったリスク要因は残りますが、いずれも中期的には解消方向に向かうと考えます。FOMC後に金融緩和スタンスが再確認されれば、今回のリスクオフ相場は乗り切れるでしょう。11~12月の年末ラリーに向けて、引き続きポジティブなスタンスを維持します。