東京市場まとめ

1.概況

週明けの日経平均は432円高の43,451円をつけ続伸で寄付きました。週末に石破茂首相が自民党総裁を辞任する意向を示し、次期政権が財政拡張的な政策を実施するとの思惑から、買いが優勢での推移となりました。また、関連してドル円が円安に推移したことも株式市場を後押し、10時53分には819円高の43,838円を付け、本日の高値を更新、8月18日に付けた最高値を上回る場面がみられました。その後は伸び悩み、前場は611円高の43,630円で取引を終えました。

後場は利益確定売りなどから、伸び悩み、43,548円から43,703円のレンジで推移しました。堅調な推移となった日経平均は最終的に625円高の43,643円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が3日続伸、1.0%高となりました。

2.個別銘柄等

ファーストリテイリング(9983)は1.4%高の49,180円をつけ5日続伸となりました。外資系証券が5日付で同社の目標株価を従来の50,200円から50,700円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。また海外投機筋とみられる株価指数先物への買いが、値がさ株であり日経平均への影響度が高い同社株の上昇を後押ししました。

三井不動産(8801)は一時、4.2%高の1,660円をつけ年初来高値を更新しました。石破茂首相の7日の辞意表明により、日銀が追加利上げに動きづらくなるとの観測が広がったことで、国内金利の先高観が後退すれば資金調達コストの減少につながるとの見方から不動産セクターに買いが入りました。

マツダ(7261)は7.2%高の1,176円をつけ3日続伸となりました。外資系証券が5日付で同社の投資判断を3段階で最下位の「売り」から最上位の「買い」へと2段階引き上げ、また目標株価は従来の780円から足元の水準を上回る1,400円としたことを材料視した買いが集まりました。

スマホゲームのエイチームホールディングス(3662)は11.6%安の1,109円をつけ大幅続落となりました。5日、2026年7月期(今期)の当期純利益が、前期比42.1%減の6億円を見込むと発表し、これを材料視した売りが出ました。前期に暗号資産(仮想通貨)評価益を計上しており、その反動によるものとされています。

神奈川県の老舗百貨店である、さいか屋(8254)は一時ストップ高水準となる19.5%高の612円を付け、年初来高値を更新しました。石破茂首相が7日に辞意を表明したことを受けて、近く実施予定の自民党総裁選に神奈川県が地盤の小泉進次郎氏が出馬する思惑から、関連銘柄として短期資金が流入しました。

VIEW POINT: 明日への視点

週明けの日本市場は、石破首相の辞任が材料となり、日経平均は一時、最高値を更新する上昇となりました。TOPIXも1.1%上昇し、業種別にも全業種が上昇するなど全面高の様相です。

市場の目線は、自民党次期総裁が誰になるのかに移っており、足元では国会議員と党員・党友票が投票するフルスペック方式で総裁選が行われると報じられています。フルスペック方式では、高市前経済安全保障相に有利との見方もあり、利下げ推進派と知られる同氏が総裁となるケースでは株高基調となる可能性があるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)