【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 45,295.81  ▼249.07 (9/2)
NASDAQ: 21,279.63  ▼175.92 (9/2)

1.概況

前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。先週末の8月29日、連邦巡回区控訴裁判所が、トランプ米政権が進める相互関税などを憲法違反とする一審判決を支持したと伝わり、先行きの関税歳入の減少懸念やそれによる財政悪化懸念が米金利上昇に寄与しました。加えて、最高値を更新していたことも利益確定の売り材料となりました。

ダウ平均は257ドル安の45,287ドルで取引を開始すると徐々に下げ幅を拡大する展開となりました。米ISM製造業景気指数が発表され、好不況の境目とされる50を下回るも新規受注の改善が見られたことが株式市場を支えました。そのことからダウ平均は後半は持ち直し、最終的に249ドル安の45,295ドルで取引を終えました。

ハイテク株比率の高いナスダック総合株価指数は175ポイント安の21,279ポイントで取引を終えました。S&P500株価指数も44ポイント安の6,415ポイントで下落して取引を終えました。

2.経済指標等

8月のISM製造業景気指数は、おおむね市場予想(48.8)と一致する48.7となりました。前月の48.0から改善を示す結果となりました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち3業種が上昇しました。エネルギーや生活必需品、ヘルスケアが1%未満の小幅高となりました。一方で、8業種が下落となり不動産と資本財・サービスが1%以上下落し、そのほか6業種が1%未満の下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中9銘柄が上昇となりました。メルク[MRK]が1.6%上昇し、構成銘柄中の上昇率トップとなりました。そのほかボーイング[BA]とマクドナルド[MCD]が1%以上の上昇となりました。一方で21銘柄が下落し、ナイキ[NKE]が3.5%下げ、下落率トップとなりました。その他、エヌビディア[NVDA]やゴールドマン・サックス[GS]、シスコシステムズ[CSCO]が1%台後半の下落となり、計7銘柄が1%以上の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、アクティビストとして有名なエリオット・インベストメント・マネジメントによる保有が伝わったペプシコ[PEP]が1.1%上昇しました。食品のクラフト・ハインツ[KHC]は会社を二分する計画が投資家に失望され7.0%下落となりました。テスラ[TSLA]はインドでの売上が会社予想を下回ったことが嫌気され、1.4%下落しました。

5.為替・金利等

長期金利は、米国の3連休前の8月29日から0.03%高い4.26%となりました。3日朝のドル円は148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

前日の米国市場は主要3指数が揃って下落となりました。金利の上昇から割高感が意識される銘柄に売りが出ました。

ハイテク株も軟調となったことから、本日の日本市場も売りが先行してのスタートが予想されます。一方で、ドル円は円安方向に振れており、輸出関連銘柄への支えになるでしょう。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)