東京市場まとめ

1.概況

前日の米国株高を受けて、日経平均は81円高の42,476円と反発して寄付きました。寄付き後は下げに転じるなど、方向感に欠ける展開となりました。次第に軟調な推移となった日経平均は9時47分に124円安の42,270円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直し、前引けにかけて上昇に転じ、135円高の42,529円で午前の取引を終えました。

後場は上昇して取引を開始しました。12時40分に233円高の42,628円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩むも、大引けにかけて持ち直した日経平均は最終的に125円高の42,520円で取引を終えました。

新興市場では東証グロース250指数が続落、0.9%安となりました。

2.個別銘柄等

ニコン(7731)はストップ高水準となる20.7%高の1,746.5円をつけ、4日続伸となる大幅高となりました。サングラスブランドの「レイバン」などを手掛けるフランスの眼鏡大手エシロール・ルックスオティカから「(同社への)出資比率引き上げの提案を受けている」と伝わり、同社の今後の事業展開や経営にとってプラスになるとの思惑から買いが集まりました。

中外製薬(4519)は6.1%高の6,380円をつけ6日ぶりに反発となりました。27日、同社が創薬し米国のイーライ・リリー[LLY]が開発中の経口肥満症治療薬「オルフォルグリプロン」の臨床試験において良好な有効性が示されたと発表し、将来の業績貢献期待の高まりが買いを呼びました。

大阪チタニウムテクノロジーズ(5726)は5.6%高の2,090円をつけ大幅反発となりました。前日の米国市場にて米航空機大手ボーイング[BA]が大韓航空から103機を受注したとされ、航空機部品に用いられるチタンを取り扱う同社に対し、チタン需要の増加期待から思惑買いが入りました。

空調設備工事の国内最大手である高砂熱学工業(1969)は2.2%高の8,632円をつけ続伸となりました。国内証券が、26日付で同社の投資判断を3段階で真ん中の「2(中立)」から最上位の「1(アウトパフォーム)」に、目標株価は従来の7,400円から、前日終値である8,446円を2割近く上回る10,000円に引き上げ、これを材料視した買いが優勢になりました。

不動産デベロッパーである明豊エンタープライズ(8927)は一時、ストップ高水準となる16.7%高の558円をつける大幅高となりました。26日の取引終了後、2025年7月期(前期)の連結業績予想数値の修正において当期純利益が前の期比37.3%増の約18.9億円と発表し、2%増の14億円を見込んでいた従来予想を大きく上回る、堅調な業績を好感する買いが殺到しました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は方向感に欠ける展開となるも、後場は底堅い推移となり反発で取引を終えました。本日も半導体試験装置のアドバンテスト(6857)などに、先だって買いが入りましたが、明日はエヌビディア[NVDA]の決算発表に注目が集まります。

市場予想は5割増収を見込んでおり、この高い期待を上回る内容を発表した際には日本市場も勢いづくものと考えられます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)