東京市場まとめ
1.概況
日経平均は343円高の42,977円で寄付きました。先週末の米国市場は、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の講演を受けて、政策金利の引き下げ観測が高まり、それによって主要3指数が揃って大幅高となりました。日本市場も買いが優勢で始まり、寄付き直後の9時5分に568円高の43,201円をつけ本日の高値を更新しました。その後は伸び悩み、節目の43,000円を割り込んで推移し、前場は289円高の42,922円で取引を終えました。
後場は上げ幅を縮小しての推移となりました。後場前半は42,800円を割り込んで推移しましたが徐々に持ち直し、最終的に174円高の42,807円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が4日ぶりに反発、0.6%高で取引を終えました。
2.個別銘柄等
TOTO(5332)は8.4%高の4,084円をつけ3日ぶりとなる大幅反発となりました。日本経済新聞が同社は「2031年3月期までに米州事業の売上高を2025年3月期比で4割増の約1000億円に引き上げる」と報じ、米国市場での成長が業績拡大につながるとの見方から買いが集まりました。
テルモ(4543)は4.0%安の2,628円をつけ5日続落となりました。25日、同社は高い成長が期待できる臓器移植関連分野に参入するとして、臓器提供者から摘出した移植用臓器を保存する機器を手がける英オルガノックスを15億ドル(約2,200億円)で完全子会社化すると発表するも、巨額買収による財務悪化への懸念から売りが出ました。
キーエンス(6861)は1.8%高の57,320円をつけ、3日ぶりに反発となりました。国内証券が22日付で目標株価を従来の56,000円から60,000円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。なお投資判断は3段階で真ん中の「2(中立)」で据え置いています。
芝浦機械(6104)は一時13.8%高の4,440円をつけ年初来高値を更新しました。アクティビストとして知られる香港投資ファンドのオアシス・マネジメントが、同社株を19日時点で5.23%保有していることがわかり、アクティビストからの株主還元強化といった要求が増えるとの思惑から、買いが集まりました。
総合建設コンサルタントのオリエンタルコンサルタンツホールディングス(2498)は一時ストップ高水準となる16.8%高の6,940円をつけ年初来高値を更新しました。22日の取引終了後、2025年9月期(今期)の当期純利益が前期比34.7%増の35億円になる見通しだと発表し、従来予想の29億円から上方修正を見込むことや、期末配当も従来から20円積み増す220円を見込むと発表し、これを好感した買いが集まりました。
VIEW POINT: 明日への視点
米国市場の利下げ期待や、それによる米株高を受けて日経平均は続伸となりました。ドル円が円高に推移したことは市場の重荷となるも、底堅い推移で取引を終えています。今週は日本時間28日朝に発表予定のエヌビディア[NVDA]の決算が材料となり、明日は動きづらい展開が予想されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)
