東京市場まとめ

1.概況

日経平均は105円安の42,783円と続落で寄付きました。前日の米国市場では、ハイテク株安となったことで、日本市場も弱含んでのスタートとなりました。寄付き直後は、上昇に転じる場面が見られるも、株価指数先物に売りが出たことも重荷となり下落基調での推移となりました。中ごろには下げ幅を拡大し、前場は247円安の42,640円で取引を終えました。

後場も基調は変わらず、緩やかに下げ幅を拡大する展開となりました。徐々に下げ幅を拡大した日経平均は14時41分に324円安の42,564円をつけ本日の安値を更新しました。その後は持ち直すも、最終的な下げ幅は278円となり、42,610円で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が続落、0.3%安で取引を終えました。

2.個別銘柄等

第一三共(4568)は7.2%安の3,710円をつけ、5日ぶりとなる大幅反落となりました。開発中のがん治療薬候補「イフィナタマブ デルクステカン」の開発進展期待などを背景に足元では4日続伸と株高基調が続いており、目先の利益を確定する売りが出ました。

三井金属鉱業(5706)は一時12.6%高の9,650円をつけ年初来高値を更新しました。20日、AIインフラ関連向けの高性能な銅箔の生産能力を、2026年9月までに2025年4月時点の580トンに比べ45%増やすと発表し、需要の高まりを受けた増産とあって先行きの業績拡大を見込んだ思惑買いが入りました。

サンリオ(8136)は2.9%高の7,852円をつけ3日ぶりに反発となりました。足元では中国向けが好調となるなど、海外ライセンスの拡大による利益成長力を高く評価した国内リサーチ機関が、同社の目標株価を従来の7,490円から9,210円に引き上げ、これを材料視した買いが入りました。

日本マクドナルドホールディングス(2702)は0.3%安の6,630円をつけ4日ぶりに反落となりました。29日から販売する予定であった人気漫画「ワンピース」のカードがおまけとして付く「ハッピーセット」の販売を中止すると発表したことを受けて、今後の販売戦略への懸念がでたほか、株価は足元で好調に推移していたことから利益確定の売りが優勢となりました。

広告の収益化サービスなどを展開するAnyMind Group(5027)は10.4%高の776円をつけ3日続伸となりました。21日、インフルエンサーが自身でAIアバターを作成し、AIアバターによる24時間ライブ配信を支援するサービスの提供を始めたと発表しました。これを受け、業績への寄与を期待した買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は0.7%安で3日続落となりました。材料難の中、ジャクソンホール会議でのパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の発言を待ちたいといった姿勢からの持ち高調整の動きとみられます。

明日も同様の展開が予想される中で、日本では7月の全国消費者物価指数の発表が予定されています。その他今晩の米国では先週の新規失業保険申請件数の発表が控えています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)