【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,581.78  △374.96 (6/23)
NASDAQ: 19,630.98  △183.57 (6/23)

1.概況

昨日の米国市場では、主要3指数が揃って1%近く上昇しました。中東情勢の悪化懸念により、寄付き後には下落する場面も見られましたが、米国の攻撃を受けたイランの報復がこれまでのところ限定的なものとなっているなか、原油先物価格が急落したことが投資家心理の支えとなりました。また、FRB(米連邦準備制度理事会)のボウマン副議長が早期利下げを支持する発言を行ったことも、相場の支援材料となりました。

ダウ平均は28安ドルで取引を開始すると、一進一退の展開となり、一時は225ドル安の41,981ドルまで下落する場面も見られました。しかし、安値を付けた後は買いが優勢となって反転し、上げ幅を拡大して402ドル高の42,609ドルまで上昇しました。最終的には374ドル高の42,581ドルとこの日の高値圏で取引を終え、続伸となりました。

一方、S&P500株価指数は57ポイント高の6,025ポイントで取引を終え、4日ぶりの反発となりました。また、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も183ポイント高で取引を終え、反発しました。

2.経済指標等

5月の米中古住宅販売件数は、前月比0.8%増の403万戸となり、市場予想を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち10業種が上昇となりました。なかでも、一般消費財・サービスや不動産、生活必需品、資本財・サービス、公益事業、素材、金融、情報技術は1%以上の上昇となりました。一方で、エネルギーの1業種が2%以上下落しました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は、全30銘柄のうち26銘柄が上昇となりました。なかでも、シャーウィンウィリアムズ[SHW]が3%以上上昇したほか、アイビーエム[IBM]やスリーエム[MMM]、ホームデポ[HD]が2%以上上昇しました。その他、ウォルマート[WMT]やマイクロソフト[MSFT]、ナイキ[NKE]など16銘柄が1%以上の上昇となりました。一方で、4銘柄が下落となりました。特にアムジェン[AMGN]は、同社が開発中の肥満治療薬「マリタイド」に関して、消化器系の有害事象が全般的に見られたと発表したことが嫌気され、5%以上下落しました。また、シェブロン[CVX]が1%以上下落したほか、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]とウォルト・ディズニー[DIS]が1%未満の下落となりました。

ダウ平均構成銘柄以外では、テスラ[TSLA]が8.2%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。同社は、先週日曜日に待望のロボタクシーサービスが一部の利用者向けに開始したことが好感されています。また、金融のノーザン・トラスト[NTRS]は、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン[BK]が同銀に対し、合併の意向を伝えていたと報じられたことから、8.0%上昇しました。一方で、スーパー・マイクロ・コンピューター[SMCI]は20億ドルのシニア無担保転換社債を発行する予定だと伝わったことで、社債が株式に転換された際に発行済み株式数が増え、1株利益が希薄化されることが嫌気され、9.8%下落してS&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。また、肥満薬の調剤版を販売する遠隔医療プラットフォームのヒムズ&ハーズ・ヘルス[HIMS]は、ノボ・ノルディスク[NVO]が同社との提携を終了したと発表したことが嫌気され、34.6%下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前日から0.02%低い4.35%で取引を終えました。ドル円は、145円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場では、主要3指数が揃って1%近く上昇となりました。この流れを引継ぎ、本日の日本市場では買いが先行すると見られ、日経平均は5日移動平均線(38,533円、6月23日時点)を上回って上昇の勢いを維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)