東京市場まとめ

1.概況

前日の米国市場にて半導体関連株等のハイテク株が上昇した流れを引き継ぎ、日経平均は15円高の38,199円で寄付きました。日本市場でも序盤は半導体関連株を中心に買いが優勢となるも、このところの上昇基調から戻り待ちの売りや利益確定の売りが出たことで、30分足らずで下げに転じました。10時前には節目の38,000円を割り込み、前場は308円安の37,874円で取引を終えました。

後場は320円安の37,863円で寄付き、その後331円安の本日の安値37,851円をつけました。ドル円相場が円高に推移したことも株式市場の重荷となり、日経平均は安値圏での推移となりました。後半にかけて米株価指数先物やアジア各国の主要な株価指数が上昇したことで、次第に下げ幅を縮小すると、最終的には55円安の38,128円をつけ、小幅ながら5日ぶりの反落で大引けとなりました。

新興市場では東証グロース250指数が0.5%高と4日続伸で取引を終えています。

2.個別銘柄等

ネクソン(3659)は16.9%高の2,648.5円をつけ3日ぶりとなる大幅反発で取引を終えました。13日に2025年12月期(今期)の第1四半期決算の中で、中間決算までの業績見通しを発表しました。半期の営業利益は641~726億円(前年同期比13.8%減~2.3%減)を見込むとし、市場予想コンセンサスを上回るガイダンスが評価されたほか、国内証券が目標株価を引き上げたことも買い材料となりました。

SUBARU(7270)は5.0%安の2,688.5円をつけ5日ぶりに反落となりました。米国による関税政策の影響が不透明とし、2026年3月期(今期)の業績見通しを「未定」と発表したことで、業績の先行きを巡る警戒感から売りが優勢となりました。

ALSOK(2331)は7.0%安の1,012円をつけ3日続落となりました。2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比8.5%増の294億円を見込むとし、市場予想コンセンサスを下回るガイダンスとなったことが嫌気され売りが出ました。

ソニーグループ(6758)は3.7%高の3,788円をつけ4日続伸となりました。2026年3月期(今期)の当期純利益は前期比12.9%減の9,300億円を見込むとし、減益予想であるも本業のもうけである営業利益は前期比0.3%増の1兆2,800億円と底堅い業績見通しを示し、また、2,500億円を上限とする自社株買いの実施も発表したことが買い材料となりました。

駐車場サービスを展開するハッチ・ワーク(148A)はストップ高水準となる22.1%高の1,660円をつけ6日続伸となりました。2025年12月期(今期)の第1四半期決算を発表し、四半期純利益は6,000万円と前年同期の100万円から大幅増益となったことが評価され、買いが入りました。

VIEW POINT: 明日への視点

足元、上昇が続いていた日経平均、TOPIXともに利益確定の売りが重石となり反落で取引を終えました。明日も決算銘柄に売買が集中すると考えられます。

本日の大引け後には、KDDI(9433)、京セラ(6971)、三井住友フィナンシャルグループ(8316)、楽天グループ(4755)、パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)の決算発表が予定されており、また明日の取引時間中にはエーザイ(4523)等の決算発表が控えています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)