【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,606.57  △419.59 (4/23)
NASDAQ: 16,708.05  △407.63 (4/23)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数がそろって大きく続伸しました。トランプ米大統領がパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長の解任を否定したほか、米中貿易摩擦の深刻化への懸念が緩和したことで、主力株を中心に買いが広がりました。一方、ベッセント米財務長官が、トランプ大統領は対中関税の引き下げを一方的に提案することはなく、米中合意には時間を要するとの見方を示したことで、取引終盤にかけては伸び悩む展開となりました。

ダウ平均は628ドル高で取引を開始すると、一時は1,189ドル高の40,376ドルまで上昇し、高値では4万ドル台を回復する場面も見られました。高値を付けた後は伸び悩み、上げ幅を縮めていくと、最終的に419ドル高の39,606ドルで取引を終え、続伸となりました。

また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は407ポイント高の16,708ポイント、S&P500株価指数は88ポイント高の5,375ポイントで取引を終え、いずれも大きく続伸しました。

2.経済指標等

3月の米住宅建設許可件数の確報値は146.7万件となり、速報値の148.2万件から下方修正されました。3月の米新築住宅販売件数は72.4万件となり、市場予想(68万件程度)と前回結果(67.4万件)を上回りました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種中9業種が上昇となりました。なかでも、情報技術や一般消費財・サービス、コミュニケーション・サービスが2%以上上昇したほか、資本財・サービスと金融が1%以上上昇しました。一方で、生活必需品とエネルギーの2業種が小幅に下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、全30銘柄中18銘柄が上昇しました。なかでも、予想を上回る決算を公表したボーイング[BA]が6%超上昇したほか、アマゾン・ドットコム[AMZN]は4%以上上昇、エヌビディア[NVDA]とアメリカン・エキスプレス[AXP]は3%以上上昇しました。そのほか、セールスフォース[CRM]やアップル[AAPL]、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]、マイクロソフト[MSFT]も2%以上上昇しました。一方で、12銘柄が下落となり、特にジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]やプロクター・アンド・ギャンブル[PG]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]が1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、業務プロセスを効率化するDXプラットフォームを提供するサービスナウ[NOW]が第1四半期決算で市場予想を上回る売上高、EPS(1株当たり純利益)を発表したほか、ガイダンスでも良好な見通しを示したことで、6.0%上昇しました。また、テスラ[TSLA]は第1四半期決算を発表し、売上高・EPSともに市場予想を下回ったほか、ガイダンスについては第2四半期の報告で再検討を予定しており、今回は決算報告から成長回帰に関する文言を削除しています。冴えない決算内容ながら、CEOのイーロン・マスク氏が5月から政府効率化省(DOGE)に費やす時間配分を大幅に減少させ、同社経営により集中する計画を発表したことなどが好感され、5.4%上昇しました。

一方で、太陽光発電などエネルギー技術企業のエンフェーズ・エナジー[ENPH]は第1四半期決算で増収、営業黒字転換となったものの、市場予想には満たず、15.7%下落してS&P500株価指数構成銘柄の値下がり率ランキングでワーストとなりました。

5.為替・金利等

米長期金利は、前営業日から0.02%低い4.38 %となりました。ドル円は、143円近辺を推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場で主要3指数がそろって大きく続伸した流れを引き継ぎ、本日の日本市場も上昇して始まることが予想されます。

日経平均は、心理的節目である3万5000円台を超えて上げ幅を広げる展開が期待されます。なお、本日は、G20財務相・中央銀行総裁会議が予定されており、加藤財務大臣や植田日銀総裁が出席する予定で、関連するニュースに注目が集まります。

また、引き続き決算発表も多く予定されており、国内ではルネサスエレクトロニクス(6723)、富士通(6702)、ニデック(6594)、中外製薬(4519)、米国ではプロクター・アンド・ギャンブル[PG]、メルク[MRK]、インテル[INTC]、アルファベット[GOOGL]、ペプシコ[PEP]などの発表が控えています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)