東京市場まとめ
1.概況
前日に大きく下げた日経平均は自律反発の買いが先行し、592円高の31,729円と反発して寄付きました。前日の米国市場ではハイテク株が上昇し、日本市場でも半導体関連銘柄に買いが入り、朝方から堅調に推移しました。早々に32,000円台を回復すると勢いをそのままに10時49分には2,120円高の33,257円をつけ本日の高値を更新しました。過度なリスクオフムードが和らぎ、前場は1,894円高の33,030円で前引けとなりました。
後場は上値が重く上げ幅をわずかに縮めての推移となりました。32,600円から33,000円程のレンジで一進一退に推移し、追加の材料に欠ける中で最終的には1,876円高の33,012円で大引けとなりました。
新興市場では東証グロース250指数が10.2%高をつけ9日ぶりに反発し取引を終えました。
2.個別銘柄等
フジクラ(5803)はストップ高となる19.5%高の4,293円をつけ、4日ぶりに大幅反発となりました。前日の米国市場にて主要な半導体銘柄で構成されるフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2.7%高となる等、ハイテク株に買いが入り、直近で下げが大きかった同社株を買い直す動きが見られました。
三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)は10.9%高の1,658円をつけ、8日ぶりに反発となりました。足元では米政権による関税政策強化による世界経済の停滞懸念から売りが優勢となっていたものの、本日は長期金利の上昇を手掛かりに買いが入りました。同様に三井住友FG(8316)は10.9%高、みずほFG(8411)は13.5%高で取引を終えています。
ニッスイ(1332)は5.6%高の839.8円をつけ、8日ぶりに反発となりました。8日正午に、2025から2027年度にかけての中期経営計画を発表しました。計画の中で総還元性向を以前までの30%から40%を目安に引き上げ、配当や自社株買いを実施するとし、株主還元姿勢を評価する買いが入りました。
ウェザーニューズ(4825)は12.5%高の3,255円をつけ、4日ぶりに反発となりました。2025年5月期(今期)の当期純利益は前期比19.0%増となる29億円と従来から2億円上方修正し、過去最高益となる見通しを示したことが買い材料となりました。
消費者金融のアコム(8572)は5.8%高の348.8円をつけ、8日ぶりに反発となりました。7日、住宅ローン専門の金融機関である日本住宅ローンと個人向けのローンにおける保証業務で提携を始めると発表し、事業の拡大を期待した思惑買いが入りました。
VIEW POINT: 明日への視点
前日に2,644円安と大きく下落していた日経平均は自律反発の買いが入り、1,876円高で取引を終えました。米国との関税協議が進展するといった見方も買いを支えた一方で、9日には相互関税の発動が予定されており、不安定な状況は継続するものと考えられます。
関税に係るニュースに過度に反応する状態が続くものと考えられますが、執筆時点の米株先物は堅調に推移しており本日の米国市場でもリスクオフ姿勢が和らぐかに注目です。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)