【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 41,581.31 ▼260.32 (3/18)
NASDAQ: 17,504.12 ▼304.55 (3/18)
1.概況
昨日の米国市場では、主要3指数が揃って3日ぶりに反落しました。FOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を控え、主力株やハイテク株を中心に持ち高調整や利益確定の売りが出たことで、相場が押し下げられました。また、18日にイスラエル軍がパレスチナ自治区ガザへの大規模攻撃を再開し、中東の地政学リスクの高まりも投資家心理の重荷となりました。一方、トランプ大統領がロシアのプーチン大統領と会談し、ウクライナのインフラ施設攻撃を制限することで合意したとの報道を受け、下げ止まる展開となりました。
ダウ平均は68ドル安で取引を開始すると、下げ幅を広げ一時426ドル安まで下落する場面も見られました。その後、取引終盤にかけては下げ幅を縮め、最終的に260ドル安の41,581ドルで取引を終えました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は304ポイント安の17,504ポイント、S&P500株価指数は60ポイント安の5,614ポイントで取引を終えました。
2.経済指標等
2月の米住宅着工件数は年率換算で前月比11.2%増の150万1000戸となり、市場予想を上回りました。また、住宅建築許可件数は年率換算で前月比1.2%減の145万6000戸となったものの、市場予想はわずかに上回りました。2月の米鉱工業生産指数は前月比0.7%上昇で0.3%程度の上昇を見込んだ市場予想を上回りました。2月の設備稼働率は78.2%となり、市場予想と前回結果を上回りました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数は、全11業種のうちエネルギーとヘルスケアが小幅に上昇となりました。一方で、9業種が下落となり、特にコミュニケーション・サービスが2%以上の下落となりました。そのほか、一般消費財・サービスや情報技術、生活必需品が1%以上下落しています。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中8銘柄が上昇となり、特にベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]とシェブロン[CVX]が1%以上上昇しました。一方で、22銘柄が下落となり、特にエヌビディア[NVDA]が3%以上下落しました。そのほか、アイビーエム[IBM]とウォルマート[WMT]が2%以上下落し、シャーウィンウィリアムズ[SHW]やトラベラーズ・カンパニーズ[TRV]、キャタピラー[CAT]など9銘柄が1%以上下落しました。
ダウ平均構成銘柄以外では、電気自動車の新興企業ルーシッド・グループ[LCID]がアナリストによる投資判断の引き上げを受けて、8.8%上昇しました。また、インテル[INTC]は1%近く上昇して、5日続伸となりました。インテルはこの期間で30%以上上昇しており、堅調な展開が続いています。一方で、年初から軟調な推移が続いているテスラ[TSLA]は、5.3%下落しました。また、掲示板型ソーシャルメディアサイト運営のレディット[RDDT]は、アナリストが売りを推奨し目標株価を75ドルと低い水準に設定したことを受けて、12.3%下落しました。
5.為替・金利等
米長期金利は前週末から0.02%低い4.28%となりました。ドル円は、149円台前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
昨日の米国市場で主要3指数がそろって反落となったことを受けて、本日の日本市場は軟調なスタートが予想されます。こうしたなか、日銀金融政策決定会合とFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を控えているうえ、明日の東京市場が休場となることから、日経平均は不安定な動きとなることが想定されます。
一方、ドイツ連邦議会(下院)は18日に財政出動に必要な基本法(憲法)の改正案を賛成多数で可決しました。これを受け、フランクフルト市場ではドイツ株価指数(DAX)が3日続伸しており、本日の日本市場でも欧州関連株の一角に買いの動きが期待されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)