アリスタネットワークス[ANET]、2桁増収増益と順調に成長

ネットワーク機器とソリューションを提供するアリスタネットワークス[ANET]が発表した2024年10-12月期決算は売上高が前年同期比25.3%増の19億3000万ドル、純利益が30.5%増の8億100万ドルでした。非GAAP(米国会計基準)のEPS(1株当たり利益)は0.65ドルで、LSEG(ロンドン証券取引所グループ)がまとめた市場予想の0.57ドルを14.3%上回っています。

同社は2024年10-12月期決算が想定外の好業績で、ガイダンスの主な内容をすべて上回ったと説明。営業キャッシュフローが95%増え、人工知能(AI)や大学関係のプロジェクトに継続的に投資する余力が生まれたとの見方を示しています。事業面の成果としては、メタ・プラットフォームズ[META]が最新のイーサーネットベースのAIクラスターに「アリスタ7700R4ディストリビューティッド・イーサーリンク・スイッチ(DES)」を採用した点を挙げています。

2025年1-3月期のガイダンスでは、売上高を19億3000万-19億7000万ドル、非GAAPの粗利益率を63%、非GAAPの営業利益率を44%と予想しています。

【図表1】アリスタネットワークス[ANET]:業績推移(単位:百万ドル)
出所: LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表2】アリスタネットワークス[ANET]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月20日時点)

パロアルト・ネットワークス[PANW]、調整後純利益は12%増

サイバーセキュリティーのパロアルト・ネットワークス[PANW]が発表した2024年11月-2025年1月期決算は売上高が前年同期比14.3%増の22億5700万ドル、純利益が84.7%減の2億6700万ドルとなりました。非GAAP(米国会計基準)のEPS(1株当たり利益)は0.84ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.78ドルを4.2%上回っています。

大幅減益の要因は前年同期に16億1100万ドルに上る税還付を計上した反動です。こうした一過性の要因を除く非GAAPの調整後純利益は12.1%増の5億6600万ドルとなります。

本業は着実に成長しています。売上高の内訳は、ファイアウオール製品やネットワークセキュリティーの管理ソリューションなどを含むプロダクト部門が7.9%増の4億2200万ドル、クラウドを通じてサービスを提供するサブスクリプション&サポート部門が15.9%増の18億3600万ドルです。

売上高の伸びが顕著なサブスクリプション&サポート部門では、クラウドを通じて未知のマルウエアを自動的に検出して防御する「WildFire」、悪意あるウェブサイトへのアクセスを防ぐ「URLフィルタリング」といった機能を提供し、売上高の約8割を占める主力事業に成長しています。

パロアルト・ネットワークスのニケシュ・アローラ最高経営責任者(CEO)は、「人工知能(AI)の発達で顧客がテクノロジーを採用せざるを得なくなり、力強いパフォーマンスにつながった」と説明しています。

ガイダンスでは2025年2-4月期の売上高が前年同期比14-15%増の22億6000万-22億9000万ドル、非GAAPのEPSが0.76-0.77ドル、次世代セキュリティー事業の年間経常収益(ARR)が33-34%増の50億3000万-50億8000万ドルに上ると予想しています。

2025年7月通期のガイダンスでは、売上高が91億4000万-91億9000万ドル、非GAAPのEPSが3.18-3.24ドル、次世代セキュリティー事業のARRが31-32%増の55億2000万-55億7000万ドルに上ると予想しています。

【図表3】パロアルト・ネットワークス[PANW]:業績推移(単位:百万ドル)
出所: LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は7月
【図表4】パロアルト・ネットワークス[PANW]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月20日時点)

エアビーアンドビー[ABNB]、宿泊・体験の予約件数が12%増と好調

民泊仲介プラットフォームを運営するエアビーアンドビー[ABNB]が発表した2024年10-12月期決算は純利益が4億6100万ドルとなり、3億4900万ドルの純損失を計上した前年同期から黒字に転換しました。売上高は前年同期比11.8%増の24億8000万ドルです。EPS(1株当たり利益)は0.73ドルで、LSEGがまとめた市場予想の0.58ドルを26.8%上回っています。

宿泊・体験の予約件数が12.3%増の1億1100万件と好調でした。北半球のオフシーズンに当たる10-12月期に1億件を突破するのは今回が初めてです。1泊または1体験当たりの予約額は0.9%高い158.13ドルで、総予約額は176億ドルに達しています。

黒字転換の主な要因は、前年同期に約10億ドルの源泉徴収税を計上し、赤字に転落した反動です。ただ、特別要因を除く調整後EBITDA(利払い・税引き・償却前利益)でも3.7%増の7億6500万ドルと増益で、売上高と利益を着実に伸ばしています。2024年末時点で宿泊場所や体験を提供するホストは500万人を超え、プラットフォームに載せている宿泊場所・体験の数は800万件を上回っています。

ガイダンスでは2025年1-3月期の売上高が前年同期比4-6%増の22億3000万-22億7000万ドルと予想した上で、前年同期はイースターのタイミングが良く、2月29日もあったため稼働日が多かった点も挙げました。こうした要因や為替変動の影響を除外した場合、売上高は10-12%増加する見通しです。

一方、2025年には、新たに始動させるビジネスに2億-2億5000万ドルを投資する計画です。中核事業を継続的に伸ばす半面、新たなビジネスで成長の機会を探る方針を打ち出しています。

【図表5】エアビーアンドビー[ABNB]:業績推移(単位:百万ドル)
出所:LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表6】エアビーアンドビー[ABNB]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月20日時点)

GEヘルスケア・テクノロジーズ[GEHC]、営業費用の抑制が奏功

医療機器メーカーのGEヘルスケア・テクノロジーズ[GEHC]が発表した2024年10-12月期決算は売上高が前年同期比2.2%増の53億1900万ドル、純利益が78.7%増の7億2000万ドルでした。調整後EPS(1株当たり利益)は1.45ドルで、LSEGがまとめた市場予想の1.26ドルを14.7%上回っています。

売上高は伸び悩みましたが、営業費用の抑制が奏功し、利益の急増につながりました。純利益率は前年同期の7.7%から13.5%に上昇しています。

セグメントは、画像誘導治療がイメージング部門から先進可視化ソリューション部門に移るといった変動で、売上高が前年同期と比較できないセクターもあります。CTやMRI、PET、X線といった画像診断装置を中核とする主力のイメージング部門は売上高が23億9300万ドルで、EBIT(利払い・税引き前利益)は19%増の3億200万ドルと好調でした。

超音波画像診断や心血管疾患のモニタリング・診断に必要な装置やシステムを提供する先進可視化ソリューション部門は売上高が4%増の14億4000万ドル、EBITが15%増の3億7400万ドル。造影剤や放射性医薬品を軸とする試薬部門は売上高が9%増の6億4600万ドル、EBITが47%増の2億1200万ドルに急伸しています。

一方、モニタリング装置や消耗品を提供する患者ケアソリューション部門は売上高が8億2700万ドルでした。EBITは4%減の1億600万ドルに縮小しています。

ガイダンスでは2025年通期の売上高(自律成長分)が前年比で2-3%増、調整後EBITマージンが16.7-16.8%、調整後EPSが3-6%増の4.61-4.75ドルと予想しています。いずれもトランプ政権が実施した中国製品に対する関税の効果が前提になっています。

【図表7】GEヘルスケア・テクノロジーズ[GEHC]:業績推移(単位:百万ドル)
出所: LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表8】GEヘルスケア・テクノロジーズ[GEHC]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月20日時点)

コンステレーション・エナジー[CEG]、電力・燃料の調達を圧縮

発電事業を行うコンステレーション・エナジー[CEG]が発表した2024年10-12月期決算は売上高が前年同期比7.1%減の53億8200万ドル、純利益が8億5200万ドル(前年同期は3600万ドルの純損失)でした。EPS(1株当たり利益)は2.71ドルで、LSEGがまとめた市場予想の2.15ドルを26.3%上回っています。

売上高は減少しましたが、電力・燃料の調達費用が35.5%減の25億9100万ドルにとどまり、採算が改善しました。営業損益ベースで黒字に転換しています。一過性の要因を除く非GAAP(米国会計基準)の調整後営業利益は37.8%増の7億6500万ドルに達しました。

2024年12月通期決算は売上高が前年比5.4%減の235億6800万ドル、純利益が2.3倍の37億4900万ドルです。非GAAPの調整後1株営業利益は38.1%増の8.67ドルでした。通期の売上高がガイダンスで示した予想売上高の上限を上回るのは2年連続となります。

2025年12月期のガイダンスでは、非GAAPの調整後1株営業利益を8.90-9.60ドルと予想しています。下限でも前年実績の8.67ドルを上回ると見込んでいます。

コンステレーション・エナジーは2025年1月、発電会社のカルパインを164億ドルで買収すると発表しました。天然ガス発電や地熱発電で国内最大手のカルパインを傘下に置き、クリーンエネルギー事業をさらに強化する方針です。

【図表9】コンステレーション・エナジー[CEG]:業績推移(単位:百万ドル)
出所: LSEGよりDZHフィナンシャルリサーチ作成
※期末は12月
【図表10】コンステレーション・エナジー[CEG]:週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2025年2月20日時点)