【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,747.63  ▼125.65 (2/6)
NASDAQ: 19,791.99  △99.66 (2/6)

1.概況

昨日の米国市場では、小幅に高安まちまちとなりました。米雇用統計の発表を控えていることから主力株の一角に利益確定売りや持ち高調整の売りが出たほか、個別で決算を公表した銘柄への売りも相場の重荷となりました。

ダウ平均は75ドル高で取引を開始した後、すぐにマイナスへ転じて売りが優勢となり、一時は328ドル安まで下げ幅を広げましたが、取引終盤にかけて下げ幅を縮めた結果、最終的に125ドル安の44,747ドルで取引を終え、3日ぶりに反落しました。

一方、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は99ポイント高の19,791ポイント、S&P500株価指数は22ポイント高の6,083ポイントでそれぞれ取引を終え、いずれも3日続伸しました。

2.経済指標等

2024年第4四半期の米非農業部門労働生産性指数の速報値は、年率換算で前期比1.2%上昇となり、市場予想と前回結果を下回りました。先週一週間の米新規失業保険申請件数は、前週比1.1万件増の21.9万件となり、市場予想以上に増加を示しました。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち生活必需品や金融、情報技術などの8業種が1%未満の上昇となりました。一方で、エネルギーやヘルスケア、公益事業の3業種が下落となり、特にエネルギーは1%以上下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄のうち15銘柄が上昇しました。特に、エヌビディア[NVDA]が3%以上上昇したほか、ジェイピー・モルガン・チェース[JPM]は2%以上上昇しました。また、ゴールドマン・サックス[GS]やキャタピラー[CAT]、マクドナルド[MCD]も2%近く上昇しました。一方、15銘柄が下落となり、特に、決算のガイダンスが嫌気されたハネウェル・インターナショナル[HON]は5%以上下落しました。また、セールスフォース[CRM]は、2013年から同社の取締役を務めてきたワシントン氏が、COOとCFOの両方を兼ねる最高財務・業務責任者(COFO)に就任したことが伝わると、株価は5%近く下落しました。その他、アイビーエム[IBM]やナイキ[NKE]、アムジェン[AMGN]が3%以上下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、肥満薬などの製薬会社イーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]が、第4四半期決算にて、市場予想を上回る売上高とEPS(1株当たり純利益)を達成し、3.3%上昇しました。また、コーチやケイト・スペードなどのファッション・アクセサリーブランドを展開するタペストリー[TPR]も好決算を発表し、12.0%上昇してS&P500株価指数構成銘柄の値上がり率ランキングでトップとなりました。また、好調な株価推移が続くパランティア・テクノロジーズ[PLTR]は、9.8%上昇しました。一方で、自動車のフォード・モーター[F]は第4四半期決算にて、市場予想を上回る売上高、EPSを達成したものの、通期のEBIT見通しが市場予想を下回ったことが嫌気され、7.5%下落しました。その他、決算を公表したアーム・ホールディングス[ARM]とクアルコム[QCOM] がいずれも3%以上下落しました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日から0.02%高い4.43%となりました。ドル円は、151円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

昨日の米国市場が小幅に高安まちまちとなったことを受け、本日の日本市場は小動きでのスタートが予想されます。日経平均が3万9000円台を維持して今週を終えられるかが注目される一方、本日夜には米雇用統計の公表が控えており、さらに日本時間の8日未明にはワシントンでトランプ大統領と石破首相の首脳会談が予定されていることから、株式市場は不安定な動きとなりそうです。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)