東京市場まとめ

1.概況

日経平均は前日の米国市場にて主要3指数が揃って4日続伸となったことで、101円高の40,060円で寄り付きました。その後は海外投資家からとみられる株価指数先物への買いも相場を押し上げ、上げ幅を拡大しました。一時4万円を割り込む場面が見られるも、持ち直し前場は233円高の40,192円で取引を終えました。

後場に入ると日銀による政策金利の引き上げが伝わったことで、序盤は荒い値動きとなり上げ幅を縮小。13時15分ごろには下げに転換し、13時27分には152円安の39,806円をつけ本日の安値を更新しました。

その後は持ち直すも植田総裁の記者会見を前に積極的な売買は控えられ、前日終値近辺で一進一退に推移し、最終的には26円安の39,931円と5日ぶりに反落して取引を終えました。新興市場では東証グロース250指数が反発、2.6%高となりました。

2.個別銘柄等

ニデック(6594)は3.2%安の2,853.5円をつけ3日ぶりに反落となりました。23日に第3四半期決算を発表し、営業利益は前年同期比5.0%増の1,755億円と増益となるも、通期の会社予想2,400億円に対する第3四半期終了時点での進捗率が73.1%にとどまったことで、達成のハードルが高まったとの見方が出て株価の重荷となりました。また国内証券による目標株価の引き下げも売り材料となりました。

ディスコ(6146)が6.7%安の47,430円をつけ大幅続落となりました。23日に第3四半期決算内で、通期の当期純利益は前期比34.1%増の1,129億円と発表するもコンセンサスの1,224億円を下回る内容であったことから失望売りが出ました。

三菱自動車工業(7211)は6.9%安の447.9円をつけ、5日ぶりに大幅反落で取引を終えました。本田技研工業(7267)と日産自動車(7201)の経営統合に向けた協議を巡って、同社は合流を見送る方向で調整に入ったとの報道を受けて、業界再編の期待が後退したことで売りが膨らみました。

サッポロホールディングス(2501)は4.1%高の7,030円をつけ、反発となりました。アクティビストとして知られるシンガポールの投資会社3Dインベストメント・パートナーズが同社株式を買い増ししたことが明らかとなり、経営改革圧力が強まるとの思惑買いが集まりました。

ディー・エヌ・エー(2432)は3.6%高の2,760.5円をつけ、4日続伸で取引を終えました。23日にスマートフォン向けアプリの「Pokemon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」に新たに拡張パックを追加すると発表したことが買い材料となりました。また、国内証券による目標株価の引き上げも上昇に寄与しました。

VIEW POINT: 明日への視点

今会合での日銀の利上げは織り込み済みであったものの、先行きの利上げ可能性が懸念されたことが株価への重荷になりました。来週は日米ともに主要企業の決算発表が相次ぎ、業績動向に注目が集まります。また、24日の米国ではアメリカン・エキスプレス[AXP]とベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]の決算発表が予定されています。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)