【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 44,025.81  △537.98 (1/21)
NASDAQ: 19,756.78  △126.58 (1/21)

1.概況

昨日の米国市場は、主要3指数が揃って上昇となりました。20日に就任したトランプ大統領は、カナダとメキシコからの輸入品に対し2月から25%の関税を課す考えを示したものの、当初懸念された世界一律の即時関税引き上げには踏み込まず、株式市場では買いの安心感が広がりました。

また、米メディアはトランプ大統領がAIインフラに民間企業を通じて巨額投資を行う方針を発表する見通しであると報じ、人工知能(AI)関連銘柄などが上昇し相場を支えました。ダウ平均は40ドル高で取引を開始すると、長期金利の低下などにも支えられ終日上げ幅を広げていく展開となり、結局537ドル高の44,025ドルとほぼ高値で取引を終え、大幅続伸となりました。

S&P500は52ポイント高の6,049ポイントと続伸し、6,000ポイント台を回復。ナスダック総合株価指数も126ポイント高の19,756ポイントで取引を終え、続伸しました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

S&P500の業種別株価指数では、全11業種のうち10業種が上げました。特に資本財・サービスが2%以上上昇したほか、不動産やヘルスケア、公益事業、素材、一般消費財・サービスが1%以上上昇しています。一方で、エネルギーは小幅に下落となりました。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、30銘柄中23銘柄が上昇しました。特に、好決算を発表したスリーエム[MMM]が4%以上上昇し、キャタピラー[CAT]やナイキ[NKE]も3%以上上昇しました。また、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ボーイング[BA]、ホームデポ[HD]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、エヌビディア[NVDA]、シャーウィンウィリアムズ[SHW]も2%以上上昇しました。一方、7銘柄は下落し、特にアップル[AAPL]が3%以上下落したほか、シェブロン[CVX]は2%下落し、メルク[MRK]も1%以上下落しました。

ダウ平均構成銘柄以外では、トランプ大統領がソフトバンクグループ(9984)、オープンAI、オラクル[ORCL]の3社による合弁事業「スターゲート」を通じて、米国内AIインフラに巨額の民間投資を行う方針を発表する予定であると報じられ、オラクル株は7.2%上昇しました。また、モデルナ[MRNA]は、鳥インフルエンザ感染防止ワクチンの開発を巡り、米政府から5億9,000万ドルの追加支援を獲得したと発表し、5.4%上昇しました。一方、ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]は、違法処方せんの調剤と払い戻し請求を巡り、米司法省から規制薬物取締法違反で提訴されたと報じられ、9.2%下落し、S&P500構成銘柄の中で値下がり率トップとなりました。

5.為替・金利等

米長期金利は前日比0.06%低い4. 57%となりました。ドル円は、155円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は、昨日の米国市場が続伸した流れを引き継ぎ、上昇して始まることが予想されます。日経平均は3万9000円以上での値固めが出来るか注目される一方、金曜日の日銀金融政策決定会合を控え、国内長期金利の動きを意識した展開となりそうです。

個別銘柄では、トランプ米大統領が人工知能(AI)インフラ構築に向け、ソフトバンクグループ、米オープンAI社、オラクルの3社による合弁企業を通じて巨額投資を行う計画を発表する見通しが報じられており、ソフトバンクグループの値動きに注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)