【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,326.87 ▼1,123.03 (12/18)
NASDAQ: 19,392.69 ▼716.37 (12/18)
1.概況
米国市場では主要3指数が揃って大幅安となりました。ダウ平均は9ドル高で10日ぶりに反発して始まった後、上げ幅は一時239ドル高まで拡大しましたが、その後はFOMC(米連邦公開市場委員会)の結果発表を前に43,600ドル付近で様子見の展開となりました。FOMCの結果発表では、FRB(米連邦準備制度理事会)が市場予想通り0.25%の利下げを決定しました。
しかし、FOMC参加者の政策金利見通し(ドットチャート)は中央値で2025年に0.25%の利下げ2回を示す水準となり、前回9月時点の4回から半減し市場予想の3回も下回ったことから、金利の高止まりへの警戒が強まり売りが広がりました。ダウ平均は急速に下げ幅を広げ、最終的に1,123ドル安の42,326ドルとこの日の安値圏で取引を終え、約50年ぶりとなる10日続落を記録しました。
また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は716ポイント安の19,392ポイントで取引を終え、大幅続落となり、S&P500指数も178ポイント安の5,872ポイントで大幅続落となりました。
2.経済指標等
FRBは12月17日から18日にかけて開催したFOMCで、政策金利を3会合連続で0.25%引き下げることを決定しました。一方、2025年末時点の政策金利見通し(中央値)は3.9%と、2024年9月会合時点の3.4%から引き上げており、年内に4回の利下げを見込んでいた従来の予想から、2回へと半減しました。米商務省が18日に発表した第3四半期の経常収支の赤字額は、前期比359億ドル増の3109億ドルと過去最高を記録しました。11月の米住宅着工件数は前期比1.8%減の年率128万9000戸と予想外の減少となりました。
3.業種別動向
S&P500の業種別株価指数では、全11業種のすべてが下落となりました。特に、一般消費財・サービスが5%近く下落したほか、不動産が4%近く下落し、コミュニケーション・サービスと金融は3%超下落となりました。
4.個別銘柄動向
米国市場では、ダウ平均構成銘柄は30銘柄中、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]の1銘柄のみが上昇となりました。ユナイテッドヘルス・グループは3%近く上昇しています。一方で、その他の29銘柄は下落となり、なかでもアマゾン・ドットコム[AMZN]やアメリカン・エキスプレス[AXP]、ゴールドマン・サックス[GS]は4%超下落しました。また、シャーウィンウィリアムズ[SHW]やアイビーエム[IBM]、セールスフォース[CRM]などは3%超下落しており、その他の多くの銘柄も1%を超える大幅下落となりました。
ダウ平均構成銘柄以外では、前日まで連騰が続いていたテスラ[TSLA]が8.3%安、ブロードコム[AVGO]が6.9%安となりました。その他多くの銘柄が大幅安となっており、インテル[INTC]は5%超下落、サービスナウ[NOW]やスノーフレイク[SNOW]は4%超下落、アルファベット[GOOGL]やクアルコム[QCOM]、パランティア・テクノロジーズ[PLTR]などは3%超下落となりました。一方で、電子部品サプライヤーのジェイビル・サーキット[JBL]は、四半期決算にて市場予想を上回る業績を発表し、通期見通しを引き上げたことで7.3%上昇し、S&P500株価指数の値上がり率ランキングでトップとなりました。
5.為替・金利等
長期金利は0.12%高い4.52%となりました。ドル円は、円安方向に進展し、154円台後半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米国株が大幅下落となった流れを引継ぎ下落してのスタートが予想されます。また、本日は日銀金融政策決定会合の2日目が開催されます。市場では、日銀が今回の会合で政策金利を据え置くとの見方が優勢ですが、追加利上げの有無や今後の金融政策の方向性に注目が集まります。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)