東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、続伸となりました。214円高の39,375円で寄り付いた日経平均は、その後、早々に本日の高値である304円高の39,465円をつけました。ドル円相場が151円台で推移し、前日よりも円安に振れたことから序盤は輸出関連株が相場を牽引しました。

その後の前場は上値が重く、一進一退で推移し、10時40分頃には11円高の39,171円まで上げ幅を縮小する場面が見られ、結局36円高の39,197円で前引けとなりました。後場に入ると上げ幅を拡大する展開となり、14時過ぎには240円高の39,400円まで上昇しました。その後は伸び悩み最終的には207円高の39,367円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が反落、0.4%安となりました。

2.個別銘柄等

ソニーグループ(6758)が一時4.3%高をつけ年初来高値を更新し、続伸で取引を終えました。前日9日には同社のゲーム子会社によるアナリスト向けミーティングが開催され、開発体制の見直し等、経営改革の進捗が前向きに捉えられたことで買いが集まりました。

中国景気の持ち直し期待から、中国関連銘柄に買いが集まりました。資生堂(4911)は4.0%高、安川電機(6506)は2.7%高とともに反発して終えました。中国共産党は来年に向けて、財政出動と金融緩和の拡充をする姿勢を示し、中国景気の持ち直し期待が市場に広がりました。

中国の景気持ち直し期待は鉄鋼セクターにも波及し、日本製鉄(5401)は1.4%高、JFEホールディングス(5411)は1.8%高とともに反発で取引を終えています。中国産鋼材の流入によって同セクターの市況悪化が続いていたところ、景気懸念の和らぎから市況の改善を見込んだ買いが入りました。

フジクラ(5803)が一時6.4%安をつける大幅反落となりました。大規模データセンター向け製品需要の期待から、株価は昨日までに年初来で約6倍上昇しており個人投資家等からの利益確定の売りに押される形となりました。

スズキ(7269)は外資証券による投資判断と目標株価の引き上げを受けて、2.7%高で取引を終えたほか、日本ペイントホールディングス(4612)も目標株価の引き上げが発表されたことで6.3%高となり、3日ぶりに反発し取引を終えています。

その他の銘柄では、就職・転職情報サービスを展開する学情(2301)が良好な決算内容と来期も二桁の営業増益の見通しを発表したことで一時16.2%高をつけ年初来高値を更新しました。また、公募増資等で最大42億円を調達すると発表した幸楽苑(7554)が一時19.2%安をつけ、年初来安値を更新し反落で取引を終えています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、0.5%高で続伸となりました。中国景気の持ち直し期待を経て、全体的な底上げがうかがえるも、11日夜間の米CPI(消費者物価指数)の発表を前に買いは限定的となりました。本日の材料となった中国の政策内容も現時点では具体性に欠け、期待が先行している部分には注意が必要でしょう。

明日に向けて、日本では企業物価指数、4Qの法人企業景気予測調査の発表が予定されており、輸出入物価と先行きの企業の景況感がどう示されるのかに注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)