日本株は選挙結果を受け、本日は下落予想が多い中、前引け時点で上昇しています。選挙前後は株価の変動が激しくなりがちですが、読み切れない市場の動きと、短期的には変動しにくい世論との間に、なぜズレが生じるのでしょう?
所得・資産階層別に関わり方が異なる株式市場と、国民1人1人の投票による意思の表れの違いでしょうか。 同様の傾向は米国にも見られます。世界で1人勝ちと言われる好景気で株高ながら選挙はデッドヒートしています。「安定政権なら株高」とは言われるも、すんなり「株高なら安定政権」とはいきません。世論とのズレを生じるとすれば、これまでも強いものが強い株式市場においては、政治面で問題となる、例えば格差は立ち止まる要因ではなかったからでしょう。
政治をめぐるマーケットの短期的な振れはノイズであり、中長期の運用では景気がどのようになるか、政治が経済にどう影響するか見極めることが重要です。これから金融政策、決算、米選挙とイベントが目白押しですが、ファンダメンタルズ確認の重要性は変わらないでしょう。
とはいえ選挙イヤーの今年は各国の選挙結果が相場を変動させています。世界経済には世論が反映する課題への対応が求められていることは、これまで市場にとって大きな変数ではなかったことが、大きくなりつつあることなのかもしれない、そういった構造的変化にも注意しはじめるべきかと感じています。