来年の見通しを示すタイミングとなりました。日々考えていることではありますが、改めて定性的にも定量的にも時間軸を整理することになります。一般的に、定性的なアプローチとしては、市場動向・マクロ環境に広く深く触れながら思考をめぐらします。定量的なアプローチでは時系列分析や回帰分析を行ったり、過去の類似局面や季節性なども参考にされがちです。

景気はインフレがピークを経てやがて景気後退となるサイクルを繰り返してきました。ところが今回は、コロナ禍以降特殊な物価の上下動を経験するとともに、世界の中心米国では格差等を抱えるものの、全体景気は腰折れることなく堅調に推移しています。よって今後を見通すにあたって過去との比較が適さない点もあること、また各国の新体制で政治がどのように動くかも予想を難しくしています。過去を参照しながらも、振り回されずにファンダメンタルズを確認し、未来を見通す力が必要ですし、相場変動への備えも必要となってくるでしょう。

なお、これから予想が出そろうなかで、みんなの予想が収束しているのか発散しているのかも注目です。収束する場合は同じデータで判断している可能性もあり、今後新たな材料に動きやすくなるでしょうし、何かを見落としていないか注意すべきです。発散している場合は先行き不確実性が高まっていることを意味し、その結果、株価の変動性が増す可能性があるとの研究もあります。予想の変動性自体が温度計になっていますね。