東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、反落となりました。前日の米国株式市場にてダウ平均が4日続落となった流れを引き継ぎ、前日比188円安の37,954円で寄り付きました。今週末に迫った衆院選を控え、積極的な買いは見送られる一日となりました。
前場は、総じて軟調に推移しました。寄付き以降は段々と水準を切り下げ、下げ幅は一時400円を超える場面も見られました。午前は371円安の37,771円で取引を終えました。
後場も買い材料が乏しい中で、序盤は軟調に推移し13時10分ごろ本日の安値である37,713円まで下げました。その後は一進一退で推移し、引け間際に下げ幅を縮小するも最終的には229円安の37,913円で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が4日続落、1.7%安となりました。
2.個別銘柄等
キヤノン(7751)が前日比80円(1.6%)安の4,959円で、反落となりました。前日24日に第3四半期決算にて、営業利益は前年同期比14.4%増の2,966億円となるも、通期の営業利益ないしは当期純利益を下方修正したことが嫌気されました。当期純利益の減額幅は100億円で、想定する為替水準を円高方向へ修正したことが要因とし、先行きの為替の不透明感も相まって、売りが優勢となりました。
ワタミ(7522)は前日比、一時47円(5.1%)高の971円を付け、続伸となりました。本日11時頃、サンドイッチチェーンの世界大手である「SUBWAY」の日本法人を買収することが明らかとなり、これを材料視した買いが集まりました。
信越化学工業(4063)の子会社である信越ポリマー(7970)が前日比、一時63円(4.3%)高の1,516円をつけ、続伸となりました。前日に発表した中間決算にて、今期の年間配当を従来予想から2円増の50円とする発表が好感されて買いが集まっています。また、9億円を上限とする自社株買いも発表し、株主還元の拡充が評価された格好です。
空調機器メーカーである富士通ゼネラル(6755)は、前日比174.5円(9.0%)安の1,775円をつけ、7日続落となりました。前日に発表した今期の中間決算にて、従来予想から一転し、最終損益が70億円の赤字になる見込みであることが明らかとなり、大幅安へとつながりました。電子デバイス事業の絞り込みや収益性の低下により約79億円の特別損失の計上したことが主な理由とされています。
ベンチャーキャピタル大手のジャフコグループ(8595)は前日比33.5円(1.7%)高の1,957.5円をつけ、5日ぶり反発となりました。本日12時ごろに発表した今期の中間決算において、営業利益は前年同期比3.3倍となる64億円と大幅増益が買いを呼びました。
その他の銘柄では、週初にエフィッシモ・キャピタルの保有が明らかとなったコニカミノルタ(4902)が一時8.3%高の607.8円をつけ、年初来高値を大幅に更新しました。また、同社は本日、X線画像から肺の病気の疑いを検出する人工知能(AI)の精度が向上したことも発表しており、こちらも株価の支えになりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は、衆院選前の最後の取引日となったことからポジション調整が入り、弱含んで推移しました。衆院選の結果も含め、来週はGAFAMの決算や日銀の金融政策決定会合といったイベント等、盛りだくさんであることから身構える様子がうかがえました。
週明けの月曜日に向けて、大引け後に発表のある決算銘柄は信越化学工業(4063)、中外製薬(4519)、ファナック(6954)の3社が注目されます。信越化学工業の第2四半期における、累積営業利益のコンセンサスは3,918億円とされています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)