東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、3日ぶりに小幅反発となりました。前日の米国株式市場にてダウ平均が史上最高値を更新したこと等を背景に181円高の39,092円で寄り付きました。また前日発表された米国小売売上高は、市場予想を上回る伸びを示し、景気後退懸念が和らいだことも株価を支えました。

前場は、寄付き後は軟調に推移し上げ幅を縮小する展開となりました。朝方はリスクオンのムードが漂うも、一部の半導体銘柄などに売りが出たことから日経平均の上値は重く、午前の終値は147円高の39,058円となりました。

後場は一進一退で推移するも、上値の重い展開が続き、最終的には上げ幅を縮小し70円高の38,981円で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が3日続落、0.7%安となりました。

2.個別銘柄等

ディスコ(6146)は前日比、一時3,250円(9.1%)高の38,830円をつける大幅高となりました。17日の2025年3月期中間決算において、営業利益は前年同期比68.7%増の759億円と発表しました。また、第3四半期までの売上・利益予想も開示し、営業利益は1,052億円とコンセンサス予想である1,234億円には届かないものの、同社への受注が引き続き堅調である見通しが好感され株価を押し上げました。

一方で、東京エレクトロン(8035)は0.1%安、SCREENホールディングス(7735)は1.9%安、レーザーテック(6920)は0.8%安で3日続落となりました。米商務省が、TSMC社による中国ハイテク大手ファーウェイ向けの半導体製造に関する調査を実施中、との報道からTSMC社に対する米国輸出規制違反を懸念した売りが集まったとみられます。

ディーエヌエー(2432)は前日比で一時124.5円(6.9%)高の1,884.5円をつけ、3日続伸、終値でも年初来高値を更新しました。10月30日より開始される「ポケモンカードゲーム」のスマホ版新作ゲームへの期待が高まっているとされています。同社のゲームセグメント損益は第1四半期では9億円と前年同期2億円から大きく伸びており、新作ゲームへの期待が買いを呼びました。

不動産投資会社の霞ヶ関キャピタル(3498)は、前日比1,160円(7.2%)安の14,940円をつけ、10日続落となりました。10月7日に上場来高値をつけて以降、軟調に推移していた同社ですが、前日に発表された新株予約権付社債の発行に対して、潜在的な株式の希薄化率は12.63%とされ将来の1株利益の希薄化を懸念した売りが膨らみ、大幅安となりました。社債での調達資金は開発用地取得等の事業拡大が目的とされています。

その他の銘柄では、東京電力ホールディングス(9501)が3.1%安、関西電力(9503)が2.3%安と前日上昇していた電力株に利益確定の売りが見られた他、週初に発表した決算はふるわなかったものの、国内証券の投資判断引き上げが買い材料となったSansan(4443)が7.9%高となりました。格上げ理由は中長期的な利益成長を評価しているとされています。

VIEW POINT: 明日への視点

来週からは、主要企業の決算に注目です。日本では23日にはニデック(6594)、24日はキヤノン(7751)、25日には信越化学工業(4063)、日立建機(6305)、ファナック(6954)が予定されています。
米国は主要企業の決算が相次ぎますが、注目は23日にラム・リサーチ[LRCX]、テスラ[TSLA]等のテック企業の決算も始まります。

また、日本の経済指標では、25日に全国消費者物価指数(CPI)の先行指標ともされる東京都市部の10月消費者物価指数が発表され、期初の価格転嫁動向が注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)