「石破ショック」が現物市場で再現されるなら買い場の好機
「石破ショック」が起きたのは、先週金曜日の大引け後である。15時20分過ぎに、石破茂氏が第28代自民党総裁に決定と伝わると、為替市場では1ドル142円台まで円が急騰。大証夜間取引の日経平均先物は急落し、日中終値対比2410円安の37440円で取引を終えた。週明けの東京市場も大幅安で始まることは避けられそうにない。
石破氏が自民党総裁に選出されたことによる株式市場への影響と今後の展望については別途ストラテジーレポートで述べるので、ここでは割愛する。ただ、短期的には市場はネガティブな反応をするが、長続きはしないだろう。市場がもっとも嫌うのは石破氏の増税路線だが、これは岸田政権のときに市場の拒否反応を経験しているので、同じ過ちを繰り返すとは思えず、早晩、増税の主張を封印するだろう。石破氏は岸田政権の資産運用立国などの方針は継続すると表明しており、経済政策全般に当面はドラスティックなものは出てこないと思われる。
先週引け後の「石破ショック」が週明けの現物市場で再現されるとすれば(その可能性が高いが)、そこは絶好の買い場だと考える。
エントリータイムの分散が肝要
今週は月末月初週に当たり、重要な経済指標の発表が目白押し。国内では10月1日の有効求人倍率、日銀短観、日銀金融政策決定会合における主な意見(9月19、20日分)が注目材料。
米国では10月1日にJOLTS求人件数、ISM製造業景気指数、2日にADP雇用レポート、3日にPMI、製造業新規受注、耐久財受注、ISM非製造業景気指数、そして4日に雇用統計が発表される。
国内で「石破ショック」によってボラティリティが高まっているだけに、海外で相場が荒れた場合、日本市場はダブルパンチで大きく値幅が出やすい。加えて、9月末はただの月末ではなく四半期末・上半期末でもある。機関投資家のリバランスやポジション調整などの需給要因も相場の変動を大きくする可能性がある。じゅうぶん警戒して相場に臨みたい。「石破ショック」の再現で急落すれば絶好の買い場だと上述したが、エントリータイミングを分散することが肝要だろう。
次期衆院選の日程について9日にも衆院解散、15日公示、27日投開票を軸とする方針だと報じられている。通常であれば「選挙は買い」だが、今回はどうか。これは石破氏の意向とは違うだろう。自民党の強引なやりかたは野党からの批判だけでなく、国民からも支持を得られるか疑問だ。衆院選で与党が大敗する可能性もあり、素直に「選挙は買い」とならない可能性もあり、見極めが重要だ。
予想レンジは3万6500円~3万8500円とする。