東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅続伸となりました。182円高の39,108円で寄り付いた日経平均は10時30分前に371円高の39,297円まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと11時過ぎにマイナスに転じました。しかし、7円安の38,917円で下げ渋ると持ち直し39円高の38,964円で前場を終えました。

28円高の38,953円でスタートした後場の日経平均は再び大きく上げ幅を広げると、引けにかけて一段高となり結局903円高の39,829円で取引を終え高値引けとなりました。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%を超える上昇となったことから半導体関連株が高く、東京エレクトロン(8035)が配当落ちを考慮した基準値比で一時7.6%高、レーザーテック(6920)が一時8.6%高、SCREENホールディングス(7735)が基準値比で一時4.1%高、アドバンテスト(6857)が基準値比で一時4.8%高、ディスコ(6146)も基準値比で一時5.0%高となりました。

中国当局が不動産市場の安定化を図る支援策を打ち出したことから中国関連銘柄も買われました。資生堂(4911)が一時7.0%高、ダイキン工業(6367)が基準値比で一時7.7%高、安川電機(6506)が一時5.6%高、ファナック(6954)も基準値比で一時7.5%高となりました。

日産(7201)も基準値比で一時5.3%高となりました。仏ルノーが保有する株式の一部を追加取得し、取得した株式を全株消却すると発表したことを好感した買いが入りました。

東邦銀行(8346)も基準値比で一時6.8%高となりました。資金利益が当初予想を上回る見込みとなったことなどにより75億円とみていた通期の経常利益の見通しを100億円に上方修正したことで買いが優勢となりました。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてクスリのアオキホールディングス(3549)や富士通(6702)が高く、クスリのアオキホールディングスが一時4.2%高、富士通も基準値比で一時3.7%高となり年初来高値を更新しました。

一方でサウジアラビアが12月から増産する用意があると伝わったことを受けて原油先物価格が下落したことから石油関連株が安く、INPEX(1605)が一時3.8%安、ENEOSホールディングス(5020)も基準値比で一時2.8%安となりました。

食品スーパーのオークワ(8217)も一時8.4%安となりました。既存店売上高が当初計画から下回って推移していることなどから35億円とみていた通期の営業利益の見通しを24億5千万円に下方修正したことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は903円高となりました。昨日の米国市場が上昇となり、S&P500株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。また、自民党総裁選の1回目の投票で、日銀の利上げをけん制する高市早苗経済安全保障相が得票数でトップになると、ドル円が一時146円台半ば近くまで円安に振れたことから一段高となり、260円程度とみられる配当落ちを埋めたうえで900円を超す上昇となりました。

しかし、引け後に金融政策運営に関して日銀の独立性を尊重するとの姿勢を取り、金融所得課税の強化を掲げている石破茂元幹事長が総裁選に勝利し総裁に選ばれたことから、週明けのマーケットの反応には注意が必要です。

なお、日本時間の本日21時30分には米連邦準備制度理事会(FRB)がインフレ指標として重視している8月の米個人消費支出(PCE)物価指数が発表される予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)