【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,861.71  △124.75 (9/11)
NASDAQ: 17,395.53  △369.65 (9/11)

1.概況

米国市場はハイテク株に見直し買いが入り上昇となりました。98ドル安でスタートしたダウ平均は、8月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受け米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退したことから大きく下げ幅を広げ朝方に743ドル安まで下落しました。しかし、40,000ドルの大台を小幅に割り込んだところで下げ渋るとハイテク株に買いが入り持ち直し、結局124ドル高の40,861ドルで取引を終え反発となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も369ポイント高の17,395ポイントと3日続伸となり、2%を超える上昇となっています。

2.経済指標等

8月の米消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%%上昇し市場予想と一致しました。しかし、変動の激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比0.3%上昇と前月から伸びが加速し、市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、情報技術が3%超える上昇となったほか、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービスも1%以上上げました。一方でエネルギーや生活必需品、金融などの5業種が下げ、エネルギーは1%近く下落しています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではアメリカン・エキスプレス[AXP]とインテル[INTC]が3%を超える上昇となったほか、アマゾン・ドット・コム[AMZN]とIBM[IBM]、マイクロソフト[MSFT]も2%以上上げました。一方でトラベラーズ[TRV]が3%余り下落し、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]も2%余り下げました。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株の上昇が目立ち、半導体株では最高経営責任者(CEO)が人工知能(AI)関連の需要の強さを改めて強調したことでエヌビディア[NVDA]が8%余り上げ、ブロードコム[AVGO]も6%を超える上昇となりました。アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]も5%近く上げ、マイクロン・テクノロジー[MU]も4%以上上げています。クアルコム[QCOM]も3%高となっています。半導体製造装置株ではラム・リサーチ[LRCX]とKLA[KLAC]が5%近く上昇し、アプライド・マテリアルズ[AMAT]も4%以上上げました。また、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も10%余り上昇しています。

5.為替・金利等

長期金利は8月の米消費者物価指数(CPI)の結果を受け米連邦準備制度理事会(FRB)による大幅利下げ観測が後退したことから0.01%高い3.65%となりました。ドル円は円安に振れ142円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米ハイテク株高と円安を受けて大きく上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の36,000円を超えて大きく上げ幅を広げそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)