・期待とともにマーケットが上がってきたが、ここに来て金融政策の変更の可能性あり、景気も変わる兆しがある。そのような中で経済指標の注目度が増している。最近は「リセッション」に言及する記事が増えており、「失業率」への言及も見られることから、ファンダメンタルズが注目されている。

・労働市場は鈍化が見込まれる。ただ、実体経済を眺めてみると、物価を上回る賃金の状況が続いており、消費を下支えしている。また、S&P500のEPS実績と予想を見ると、企業業績は堅調で、今後も少なくとも横ばい以上という状況にある。以上のことからも、注目度は増しているがファンダメンタルズが急激に崩れている感じはまったくない。

・米金利の利下げの回数予想と10年金利は年内3、4ヶ月で振れやすい状況である。利下げが実際に始まれば見方も固まってくるだろう。断続的に利下げするほどの悪い状況ではないため、利下げの回数が減る方向に修正されてもおかしくはない。

・注目度が高い指標は基本的に予想が難しく当たりづらい。あらゆる指標に注目度が高まっているのを見ると、先行きが見通しづらい局面に入っていると感じられる。利下げ予想や金利はまだ一方向ではなく、短期的には振れる可能性が意識される。それに合わせてトレーディングできればいいが、一方で中長期的にどう推移するか腰を据えて見ていきたい。

・ブルベア指数と世界の株式の推移を見ると、全体的に転換的に来ている可能性が意識される。では今後、どうシナリオを見据えていくか。基本的には米国の景気は、金融緩和のサポートによりソフトランディングしていくだろう。金利は上がり過ぎず下がり過ぎず、米ドル/円も横ばいに。株高で物色の広がりも期待できる。さらに出遅れている資産にも向かっていくことは期待していいだろう。

・一方で、景気減速のシナリオも念頭に置いておきたい。労働市場の悪化、金利は低下し、円高で、ディフェンシブ性が求められる。リスクオフでゴールドという選択肢も出てくるだろう。そして金利への投資。債券投資に妙味があるシナリオだが、その場合スタグフレーションリスクにも注意が必要となる。

・景気再加速の可能性もゼロではない。米大統領選挙前後で財政支援が考えられる。今週のテレビ討論などは要チェック。その場合、金利は高止まりで円安になる。物色入れ替えの可能性も意識しながら、インフレ、コモディティなどの戦略も見えてくる。色々な選択肢もありえるが見極めが重要だ。