東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は6日続落となりました。170円高の36,386円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りでマイナスに転じましたが、節目の36,000円を割り込むことはなく214円安の36,001円で下げ渋ると持ち直し、10時40分前には321円高の36,537円まで上昇しました。しかし、節目の36,500円を小幅に超えたところで伸び悩むと28円高の36,244円で前場を終えました。

78円高の36,294円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに203円高の36,419円まで上昇しましたが、その後伸び悩むとマイナスに転じ結局56円安の36,159円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場で主要な半導体関連株で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が2%を超す上昇となったことから半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時4.5%高、SCREENホールディングス(7735)が一時4.4%高、ソシオネクスト(6526)も一時3.2%高となりました。

関電工(1942)も一時3.7%高となりました。旺盛な民間建設投資を背景に収益性が向上したことや、全社を挙げた生産性向上への取り組みを受けて通期の営業利益の見通しを370億円から430億円に上方修正し、一転して増益予想となったことから買いが優勢となりました。

上期決算を発表した技術者派遣のアルトナー(2163)も9.3%高となりました。第1四半期は先行投資費用を吸収できず営業利益が前年同期比でわずかに減益となりましたが、第2四半期は売上高の伸長で費用を吸収し営業利益が前年同期比で19.8%増と増益に転じたことから大幅高となりました。

イチネンホールディングス(9619)も一時7.9%高となりました。中間配当を従来予想から3円積み増し33円にすると発表したことで大幅高となりました。

また、目標株価の引き上げを受けて三浦工業(6005)が一時7.1%高となったほか、コナミグループ(9766)も投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.2%高となり上場来高値を更新しています。

一方で第一三共(4568)が一時10.4%安となりました。開発中の抗がん剤候補の肺がんの2次、3次治療を対象とした第3相臨床試験(治験)において、主要評価項目のひとつで統計学的に有意な改善が認められなかったと発表したことから大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は56円安となりました。先週末に大きく下げた反動で昨日の米国市場が大幅反発となったことから買いが先行し、一時は320円以上上昇する場面もありました。

しかし、5日移動平均線(36,494円)を上回ったところで伸び悩むと小幅に下げて取引を終えました。そのため上値の重さがやや意識されそうです。

なお、明日は日本時間の午前10時から米大統領選候補者によるテレビ討論会が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)