米ドル/円は続落の見通し 週間予想レンジ:139.50~143.00

先週(9月2日週)は反落し、下落波への復帰を示唆

先週の米ドル/円は再度反落。147円前半を一旦トライしたが、雇用統計を受けて一時141円台まで円高が進行した。週足では「アウトサイド」のサインを点灯してからベアトレンドへの継続を示唆、8月26日安値の割り込みが重要なポイントであった。

今週(9月9日週)は8月安値の更新を図るか

米利下げが規定路線となり、日本の利上げ余地に関する思惑がくすぶる中、日米金利政策の相違が鮮明化してきている。市場参加者の多くは米ドルをショートするスタンスに転換している。米ドル全面安(ドル指数の下落)もあり、8月安値の141.68円を割り込んで140円台への打診もあるか。

テクニカル視点:途中の調整が完了、ベアトレンドを加速

米ドル/円は、7月11日の大陰線からほぼ一貫して急落してきた。8月5日は一旦146円前半まで下落し、明らかに「売られすぎ」だったことから8月15日には149円台への戻りがあった。これは途中の調整として当然視してきた。

そして9月2日の高値は147円台前半に留まり、その後8月23日の安値である143.45円を割り込んだことから、下落途中のトライアングル型整理の終焉や下放れが確認された。つまり、一時の「売られ過ぎ」が解消され、ここからはベアトレンドを加速していくと考えられる。さらに、保ち合いがあったからこそ、ここから下落トレンドがより「健全的」に、また下落モメンタムが強化される見通し。140円台へのトライもあり得るだろう。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円はレンジ変動を拡大 週間予想レンジ:92.50~96.00

先週(9月2日週)は大きく反落した

先週の豪ドル/円は一旦100円の節目に接近したものの、その後大きく反落し、週足では弱気のサインを点灯させた。94円台まで下落し、週足では大きな陰線を罫線、8月安値を起点とした戻りの終焉を示唆した。

今週(9月9日週)はレンジ変動を拡大させるか

先週一旦100円の大台への打診があったものの、その後一転して94円まで大きく反落、戻りが終焉したと考えられる。一方で、すぐに8月安値を更新していくという勢いでもなく、弱含みのレンジ変動に留まり、レンジ自体の拡大を図るのではないか。97円台に早期回復しないようなら、レンジ変動とはいえ、なお下値リスクを覚悟か。

テクニカル視点:頭打ちを確認、レンジの下方修正につながるか

豪ドル/円は、7月高値からほぼ一本調子の暴落となり、8月5日の安値まで実に20円近い値幅となった。円売りバブルの崩壊とは言え、暴落自体が明らかに行き過ぎであったため、スピード調整的な切り返しが先週高値まで続いたこと自体、当然の成り行きであった。

一方、繰り返し指摘してきたが、切り返しを過大評価すべきではないだろう。100円の大台への回復がない状況では、まだ弱い構造だと考えられる。従って、先週の大陽線は、調整波動(切り返し)の終焉を示唆していることから、ここから強気変動の再来はないだろう。

半面、ドル全面安(ドル指数の下落)における豪ドル対米ドルの上値志向に鑑み、ここから一直線に8月安値を割りこむのも容易ではない。従って、弱含みのレンジ変動を想定、またレンジの下限が下方修正、場合によっては、一旦下方にはみだすことも覚悟しておきたい。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成