東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続伸となりました。61円安の36,381円でスタートした日経平均は寄り付きを安値に下げ渋ると直ぐにプラスに転じ上げ幅を広げ、後場に入って12時40分には442円高の36,885円まで上昇しました。その後は伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局284円高の36,726円で取引を終えています。

一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

4-6月期の実質GDP速報値が2四半期ぶりにプラス成長となり市場予想を上回ったことで景気敏感株としてメガバンクに物色の矛先が向かいました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時4.6%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時6.0%高、みずほフィナンシャルグループ(8411)も一時6.3%高となりました。

上期決算を発表した電通グループ(4324)やすかいらーくホールディングス(3197)も買われました。電通グループは第1四半期(1-3月期)に前年同期比で22.1%減だった調整後営業利益が、第2四半期(4-6月期)に47.9%増と大幅な増益に転じたことで一時10.5%高となりました。

すかいらーくホールディングスもメニューの見直しなどによる客単価の上昇で採算が改善するとみられることなどから150億円とみていた通期の営業利益の見通しを240億円に上方修正したことで一時9.5%高となりました。

サンドラッグ(9989)も一時6.2%高となりました。外出機会の増加に伴って化粧品の販売が伸びたことや、インバウンド(訪日外国人)需要の回復もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で10.3%増となったことから大幅高となりました。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてスカパーJSATホールディングス(9412)が一時6.5%高となったほか、サンリオ(8136)も目標株価の引き上げを受けて一時3.6%高となり上場来高値を更新しています。

一方でオンライン診療のメドレー(4480)が一時18.7%下落しストップ安となる場面がありました。人材プラットフォーム事業に関する広告宣伝費の増加などにより上期の営業利益が前年同期比で6.6%減となったことから売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は284円高となりました。7月の米消費者物価指数(CPI)がインフレ鈍化を示す内容となったことで昨日の米国市場が続伸となったことから買いが優勢となりました。

また、寄り付き前の8時50分に発表となった4-6月期の実質GDP速報値が前期比年率換算で3.1%増と2四半期ぶりにプラス成長となり、市場予想を上回ったこともあって上げ幅を広げました。

しかし、一時は440円以上上げる場面もありましたが、7月11日に付けた年初来高値(42,224円)と8月5日に付けた年初来安値(31,458円)の半値戻しのライン(36,841円)を小幅に上回ったところでは伸び悩みました。そのため明日も買いが優勢となった場合には半値戻しのラインを上回って水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

なお、日本時間の21時30分に7月の米小売売上高や米新規失業保険申請件数、8月の米ニューヨーク連銀製造業景況指数、8月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数、7月の米輸出入物価指数が発表されるほか、22時15分には7月の米鉱工業生産指数と設備稼働率が発表される予定です。

さらに15日の米国ではウォルマート[WMT]やアプライド・マテリアルズ[AMAT]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)