今週(7月19日~7月25日)の相場動向

相場回顧 BTC:米国でイーサリアム現物ETFが承認されるも、米国株の大幅下落により上値の重い展開

ビットコインは、米国でイーサリアム現物ETFが晴れて上場したが、米国株が大きく下落する中で上値の重い展開となった。

親クリプト派として見られるトランプ共和党大統領候補の再選への期待が高まり、ビットコインは堅調に推移した。マイクロソフト関連のシステム障害が世界中に広がったことで、ブロックチェーンを活用する分散型システムの堅牢性が相対的に注目され、思惑的な買いも入った。このような中、米国ではビットコイン現物ETFへの資金流入が継続し、一時はBTC=1,034万円(68,000ドル)付近まで価格を伸ばした。

しかし、米国株が主要テック銘柄の決算発表を前に下落し、ビットコインも同様に売りが強まった。バイデン大統領が撤退を発表したことで米国大統領選挙の不確実性が高まり、金と同様に買われる場面も見られたが、米国政府関連アドレスからの大口送金が観測されたこともあり上値が重くなった。7月23日には米国でイーサリアム現物ETFの取引がスタートし、初日出来高は10億ドルを超える規模となったが、ビットコインの時と同様に事実売りが先行した。

その後、テスラ[TSLA]とアルファベット[GOOGL]の決算発表が冴えない内容となり、ナスダックが大幅下落する中、ビットコインもBTC=973万円(64,000ドル)付近まで下落した。

 

来週(7月26日~8月1日)の相場予想

BTCは米国企業決算とFOMCの内容次第で上値の重い展開が継続か、ETH現物ETFへの本格流入が待たれる

市場の関心は米国企業の決算発表に移っている。来週はマイクロソフト[MSFT]やメタ・プラットフォームズ[META]、アップル[AAPL]、アマゾン・ドットコム[AMZN]といった主要ハイテク銘柄の他、マイクロストラテジー[MSTR]やコインベース[COIN]、マラソン・デジタル・ホールディングス[MARA]といった主要暗号資産関連銘柄の決算発表も控えている。これらの企業業績が不振だった場合には米国株とともにビットコインの売りが強まる恐れがある。

また来週は米国でFOMCが開催される。7月は政策金利の据え置きが予想されているが、パウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が9月利下げ開始を示唆する発言をした場合、米国金利の低下により米国株、ビットコインの買いが強まることは考えられる。一方、利下げ期待が大方織り込み済となり、7月米雇用統計が悪化した時には景気後退懸念が意識されてリスク資産が急落する可能性には注意したい。米国ではクレジットカードの延滞率が過去最高水準に達するなど米国経済への不安が高まっている。

米国でイーサリアム現物ETFが上場したが、直近は米国株の下落もあって売りが強まっている。ビットコイン現物ETFが成立した時と同様に、しばらくはイベント通過後の売りをこなす必要があるかもしれないが、個人投資家を中心に新規買いも入るだろう。遅れて大手金融機関でも富裕層顧客からの要望を受けてイーサリアム現物ETFを仕入れることが予想される。本格的な資金流入が始まるのは8月に入ってからになるか。

直近、上値としてBTC=1,064万円(70,000ドル)、下値としてBTC=912万円(60,000ドル)を意識する。