東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日続落となりました。115円安の39,947円で寄り付いた日経平均は直後に90円安の39,973円を付けた後下げ幅を広げると10時20分前に508円安の39,555円まで下落しました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると469円安の39,593円で前場を終えました。

392円安の39,671円でスタートした後場の日経平均は13時10分前に544円安の39,519円まで下落した後下げ渋りましたが、引き続き安値圏で推移すると結局464円安の39,599円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数は下落となっています。

2.個別銘柄等

JR九州(9142)が一時7.7%高となり上場来高値を更新しました。2025年4月からの運賃引き上げを国土交通省に申請したと発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。JR各社にも買いが波及し、JR東日本(9020)が一時3.7%高、JR東海(9022)が一時1.5%高、JR西日本(9021)も一時2.4%高となりました。

ウエルシアホールディングス(3141)も5.0%高となりました。アマゾンジャパンが2024年内にもウエルシアホールディングスなどと連携し、処方薬のネット販売を始めると伝わったことを材料視した買いが入りました。

帝人(3401)も一時5.8%高となりました。旧村上ファンド出身者が設立した投資ファンドのエフィッシモ・キャピタル・マネージメントが帝人株を6.03%保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになったことで大幅高となりました。

また、東証スタンダード市場ではB-Rサーティーワンアイスクリーム(2268)が一時16.8%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。来店客が増え、既存店売上高が好調に推移したことなどから上期の営業利益が89%増となったことで上げ幅を広げました。

一方で先週末の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%余り下げたことから日本市場でも半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時3.0%安、アドバンテスト(6857)が一時3.8%安、ディスコ(6146)が一時6.0%安、ソシオネクスト(6526)も一時5.8%安となりました。

さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて吉野家ホールディングス(9861)とスクエア・エニックス・ホールディングス(9684)が安く、吉野家ホールディングスが5.0%安となり年初来安値を更新したほか、スクエア・エニックス・ホールディングスも3.2%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は464円安となりました。世界規模で発生したシステム障害が相場の重石となり先週末の米国市場が続落となったことから売りが優勢となりました。

節目の39,500円を前に下げ渋りましたが、大幅安となり25日移動平均線(40,033円)を大きく割り込んだことから警戒ムードが一段と強まりそうです。

なお、22日の米国ではベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)