【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 41,198.08  △243.60 (7/17)
NASDAQ: 17,996.93  ▼512.42 (7/17)

1.概況

米国市場は高安まちまちとなりました。ダウ平均は出遅れ銘柄や市場予想を上回る決算を発表した銘柄に買いが入り6日続伸となり史上最高値を更新しましたが、S&P500株価指数とナスダック総合株価指数はハイテク株が売られたことで4日ぶりに反落となりました。91ドル安でスタートしたダウ平均は直後に104ドル安まで下落しましたが、下げ渋ると持ち直し徐々に上げ幅を広げると結局243ドル高の41,198ドルで取引を終え、3日連続で史上最高値を更新しています。一方でS&P500株価指数が78ポイント安の5,588ポイントとなったほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も512ポイント安の17,996ポイントとなっています。

2.経済指標等

6月の米住宅着工件数は年率換算で前月比3.0%増の135万3000戸となり市場予想を上回りました。6月の米鉱工業生産指数も前月比0.6%上昇し市場予想を上回りました。設備稼働率も78.8%と前月から上昇し市場予想を上回っています。また、米地区連銀経済報告(ベージュブック)で米連邦準備制度理事会(FRB)は経済活動が「わずかもしくは緩やかな成長を維持した」としています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、生活必需品とエネルギーは1%以上上昇しました。一方で5業種が下げ、情報技術が3%を超える下落となったほか、コミュニケーション・サービスも2%余り下げました。また、一般消費財・サービスと資本財・サービスも1%を上回る下落となっています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算を好感した買いが続きユナイテッドヘルス・グループ[UNH]が4%を超える上昇となったほか、ジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]も決算が市場予想を上回ったことで3%以上上げています。一方でアマゾン・ドット・コム[AMZN]とアップル[AAPL]が2%を超える下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、対中規制強化への懸念や台湾情勢を巡る不透明感から半導体関連株の下げが目立ちました。半導体株ではアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]が10%以上下げ、クアルコム[QCOM]も8%を超える下落となりました。ブロードコム[AVGO]も8%近く下げ、エヌビディア[NVDA]とマイクロン・テクノロジー[MU]、ウエスタン・デジタル[WDC]も6%を上回る下落となりました。半導体製造装置株ではアプライド・マテリアルズ[AMAT]とラム・リサーチ[LRCX]が10%以上下げ、KLA[KLAC]も10%近く下落しています。また、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も9%以上下げています。さらに主力ハイテク株も安く、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が5%を超える下落となり、テスラ[TSLA]も3%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い4.15%となりました。ドル円は、日米両国の要人からの円安・ドル高をけん制する発言があったことを受けて円高に振れ156円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米ハイテク株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の41,000円を割り込んで下げ幅を大きく広げる展開となりそうで、売り一巡後に下げ渋るような動きがみられるかがポイントとなりそうです。また、午後には半導体受託生産大手の台湾のTSMC[TSM]が決算を発表する予定で注目を集めそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)