・7月第1週の米ドル円相場は、1ドル=162円手前まで米ドル高・円安が進んだ。6月下旬以降、1ドル=160円を簡単には割らない円安水準で推移しており、日米10年債利回り差では説明できないレベルだ。

・過去2年の7月は、2022年は140円手前から130円へ、2023年は145円から137円へ米ドル安・円高が進んだ。2022年は3月にFRB(連邦準備制度理事会)が開始した利上げにより日米金利差が拡大し、7月までに米ドル高・円安が進んだ。2023年は6月末までに、米ドル買い越し(円売り越し)が当時としては異例の12万枚弱に達していた。いずれも米ドルの「上がりすぎ」「買われすぎ」という状態だった。円高転換の背景には、投機筋が夏休み前にリスクを減らすため、ポジションを手じまいしたことがありそうだ。

・2024年7月は、米ドル円相場が120日移動平均線(MA)を5%以上上回り、投機筋の米ドル買い越し(円売り越し)も史上最高水準の18万枚超に達している。米ドル円の「上がりすぎ」「買われすぎ」という現況下、ポジション調整が起きて米ドル安・円高に振れてもおかしくない。