東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反落となりました。105円安の38,597円で寄り付いた日経平均は下げ渋ると持ち直し昨日の終値を挟んで小幅にもみ合う展開となりましたが、10時40分頃から売りが優勢になると11時過ぎに142円安の38,560円まで下落しました。

しかし、前引けにかけて持ち直すと42円安の38,661円で前場を終えました。8円安の38,695円でスタートした後場の日経平均は13時40分前に107円安の38,595円まで下落した後下げ渋りましたが、引き続き軟調に推移すると結局19円安の38,683円で取引を終えています。

一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

住友電気工業(5802)が一時4.9%高となりました。ドイツの送電大手のアンプリオンから再生エネルギー向けの送電線を最大で30億ユーロ(5000億円)超で受注したと発表したことで大幅高となりました。

レーザーテック(6920)も一時7.4%高となりました。海外の空売り投資家スコーピオン・キャピタルが不正会計の疑いを指摘したことで下落が続いていましたが、「適切な会計処理を実施している」とのコメントを発表したことで買い戻しが入り9日ぶりに反発となりました。

ホームセンター大手のコーナン商事(7516)も一時2.1%高となりました。600店舗達成記念セールの影響もあり、日用消耗品や園芸用品などの販売が好調で5月の既存店売上高が前年同月比で1.3%増となったことから買いが優勢となりました。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けてグンゼ(3002)や日東電工(6988)が高く、グンゼが一時4.6%高となり年初来高値を更新したほか、日東電工も一時6.3%高となりました。

さらに東証グロース市場ではかっこ(4166)が21.2%上昇しストップ高となりました。クレジットカード不正利用に対するセキュリティ強化のために、イオン(8267)のオンラインマーケット「グリーンビーンズ」を運営するイオンネクストが、かっこの不正注文検知サービスを導入したと発表したことで買いを集めました。

一方で塩野義製薬(4507)が一時15.6%安となり年初来安値を更新しました。R&D(研究開発)関連イベントの資料で、肥満症治療薬の試験結果が目標の数値を下回っていたと明らかにしたことで売りが膨らみました。

トヨタ(7203)も一時2.4%安となりました。三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)が政策保有株として持つトヨタの株式売却を検討していると伝わったことで需給悪化を警戒した売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は19円安となりました。米国市場でのハイテク株安の流れを引き継いで売りが優勢となりました。

しかし、5月の米雇用統計の発表を控えていることもあり様子見ムードが強く、小幅にプラスとなる場面もあるなど方向感に欠ける一日となりました。その米雇用統計は日本時間の21時30分に発表となります。

このところ労働市場の過熱感が薄れていることを示す指標の発表が相次いでいることから結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)