【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,711.29  △140.26 (6/4)
NASDAQ: 16,857.05  △28.38 (6/4)

1.概況

米国市場は雇用関連の指標が労働需給の緩和を示す内容だったことで利下げ時期が遅れるとの懸念が後退し上昇となりました。52ドル安でスタートしたダウ平均は直後に173ドル安まで下落した後持ち直すと前日の終値を挟んでもみ合う展開がしばらく続きましたが、取引終盤にかけて買いが優勢になると結局140ドル高の38,711ドルで取引を終え反発となっています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も28ポイント高の16,857ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

4月の米雇用動態調査(JOLTS)で非農業部門の求人件数は805万9000件と前月から減少し、2021年2月以来の低水準となり市場予想を下回りました。一方で4月の米製造業新規受注は前月比0.7%増となり市場予想を上回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、不動産と生活必需品が1%近く上昇しています。一方で5業種が下げ、素材が1%を超える下落となったほか、エネルギーも1%近く下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではハネウェル・インターナショナル[HON]が目標株価の引き上げを受けて2%を超す上昇となったほか、ボーイング[BA]も2%余り上げました。シスコシステムズ[CSCO]とユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、コカコーラ[KO]、プロクター・アンド・ギャンブル[PG]、ベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]、ウォルマート[WMT]、マクドナルド[MCD]も1%以上上昇しています。一方でダウ[DOW]とJPモルガン・チェース[JPM]、スリーエム[MMM]、キャタピラー[CAT]が1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外では、クルーズ船のカーニバル[CCL]がオーストラリアで運航する傘下のクルーズ船事業を2025年3月に統合する計画を発表したことで6%近く上げました。他のクルーズ船株にも買いが波及し、ノルウェージャン・クルーズライン・ホールディングス[NCLH]が4%近く上昇し、ロイヤル・カリビアン・グループ[RCL]も2%以上上げています。決算を発表した洗面・浴室用品のバス・アンド・ボディーワークス[BBWI]は通期の業績見通しが市場予想に届かなかったことで13%近く下落しています。

5.為替・金利等

長期金利は市場予想を下回る雇用関連指標を受け、労働市場の過熱感が薄れつつあるとの見方から0.07%低い4.33%となりました。こうしたなかドル円では円高がさらに進み154円台後半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均はドル円の動向に神経質な展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)