◆クリスマスも有馬記念も終わって、いよいよ今年も残すところあと1週間。おかげさまで大納会の30日まで仕事の予定がびっしりだ。仕事があるのは大変ありがたいことである。年始の4日も朝5時(モーサテ)から夜23時(日経プラス10)まで仕事である。本当にありがたくて涙が出る。
◆新春のこれら経済番組は「今年の相場大予想」というのが定番の企画だ。そして年末には1年を振り返り自らの予想と実際の相場の動きを比較検証する「大反省会」が待っている。「反省会」というくらいだから、予想が当たらないのが前提である。僕は「モーサテ大反省会」に3年連続で出演していたが、今年はお呼びがかからなかった。年初に立てた予想は的外れだったが、年央で軌道修正したのが正解だったからだろう。
◆「予想」「予測」を生業にしているだけに、予測力を高める良い教科書がないものか、と常々探していたらついに「これだ!」という書籍に出会った。『超予測力 不確実な時代の先を読む10カ条』(フィリップ・E・テトロック&ダン・カーリー)である。専門家の予想はチンパンジー並だが、一方で実際に卓越した成績をおさめる「超予測者」が存在する。その予測スキルの実態と、高い未来予測力の秘密を探ったのが本書である。その結果見えてきた鉄壁の10カ条とは・・・?
◆せっかちな僕は、本編をすっ飛ばして巻末に付された「超予測者をめざすための10の心得」をまず読んだ。なになに、「一見手に負えない問題は、手に負えるサブ問題に分解せよ」 う~ん、なるほどね。それから?なになに、「外側と内側の視点の適度なバランスを保て」か。う~ん、参考になるなあ。これで僕も「超予測者」の仲間入りだ!もう「大反省会」なんかに出演することもないだろう。「当たり屋」の称号は僕のためにあるようなものだ、ハハハハ!といい気になっていると、10カ条を読み終えたあとに、もう1つ、11番目の心得が記されていることに気が付いた。「11. 心得を絶対視しないこと」。
今年も『新潮流』をご愛読いただきまして誠にありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。来る2017年が読者のみなさまにとって素晴らしい1年でありますように。どうぞ良いお年をお迎えください。