◆今日から師走。今年も残すところ1ヶ月となった。今年、2025年は節目の年であった。昭和が続いていれば「昭和100年」であったし、太平洋戦争終戦から80年、ジャパン・アズ・ナンバー1と謳われた日本経済のピークにあったプラザ合意から40年である。そうした節目の年に我が国初の女性の総理大臣が生まれ、日経平均株価は節目の5万円という大台を越えた。間違いなく歴史に刻まれる1年であっただろう。

◆もうひとつの節目が、21世紀初めの四半世紀の終わりの年という位置づけだ。ミレニアム問題に揺れた20世紀最後の2000年を無事に終えて21世紀が始まったが、その2000-2001年はまさにテック・バブルのピークから崩壊へと向かうタイミング。そして今またAIバブルの懸念が市場を揺さぶっている。そう考えると21世紀の第1四半世紀はテクノロジーの進化に翻弄された25年間と言えるかもしれない。

◆先週のレポート(11月26日付け ストラテジーレポート「AIはバブルか」)でも書いたことだが、テクノロジーは指数関数的に伸びていく。一方、人間の思考はリニア(直線)なのでテクノロジーの進化に人間の想像力が追いつかない。四半世紀前に現在の生活を想像できただろうか。iPhoneの登場は2007年、それからまだ20年もたっていないのだ。今から20年後を想像できるだろうか。おそらく車は空を飛んでいるだろう。自動運転はレベル5に達しているだろう。介護や看護の現場ではAIで動く人型ロボットが主役になっているだろう。

◆それらは現在の延長線上でまだ想像の範囲内にある。今からは想像もつかないテクノロジーがこの先にきっと生まれる。そのような未来を見てみたい。四半世紀後の2050年までは、もしかしたら生きられるかもしれない。しかし、そこからさらにもう四半世紀はさすがに無理…いやいや、そのころには人間の寿命を延ばすテクノロジーが開発されているかもしれない。21世紀・第1四半世紀その最後の年の瀬に、そんな夢を見るのも悪くない。