【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,806.77  ▼196.82 (5/20)
NASDAQ: 16,794.87  △108.91 (5/20)

1.概況

昨日の米国市場は高安まちまちとなりました。13ドル安でスタートしたダウ平均は節目となる4万ドル近辺からの利益確定売りに押され、下落に転じ、終盤にかけ下げ幅を拡大し前日比196ドル安の39,806ドルとなりました。一方で、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は今週決算発表を控える半導体エヌビディア[NVDA]の上昇がけん引し3営業日ぶりに反発し、108ポイント高の16,794ポイントと史上最高値で取引を終えました。また、S&P500種株価指数は4ポイント高の5,308ポイントと続伸となりました。

2.経済指標等

主要な経済指標の発表はありませんでした。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術やコミュニケーション・サービス、資本財・サービス、素材の4業種が上げ、情報技術は1%を超える上昇となりました。一方で金融が1%を超える下落となったほか、一般消費財・サービスや不動産など7業種が下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では、キャタピラー[CAT]が2%近く上昇し、マイクロソフト[MSFT]も生成AI機能を搭載した新型パソコン「コパイロットプラスPC」を発表したことで上昇しました。アップル[AAPL]も競争が激化している中国市場での売上回復を目指し、iPhoneの価格引き下げを発表したことで上昇しました。一方、JPモルガン・チェース[JPM]は、同日開催されたイベントでジェイミー・ダイモンCEOが計画よりも早期に退職する可能性を示唆し、さらに「大量の自社株買いはできない」との見方を示したことで、株価が4%安と大幅に下落しました。その他、シスコシステムズ[CSCO]、トラベラーズ[TRV]、ホーム・デポ[HD]、マクドナルド[MCD]も下げています。

ダウ平均構成銘柄以外では、クルーズ船運営のノルウェージャン・クルーズ・ライン・ホールディングス[NCLH]が強い需要や予約増を背景に、通期の調整後1株利益見通しを引き上げたことで、株価が7%以上上昇しました。同業のロイヤル・カリビアン・クルーズ[RCL]やカーニバル[CCL]も期待感から買われ、連れ高となりました。その他、ヘルスケアソフトウェアソリューションを提供する新興企業ヒムズ&ハーズ・ヘルス[HIMS]がGLP-1減量注射薬を供給することを明らかにし、売上増の期待から株価が約27%の大幅上昇となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.02%高い4.44%となりました。ドル円は156円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が小幅に高安まちまちとなったことから小動きでのスタートが予想されます。方向感が分かりにくい展開が予想されますが、エヌビディアの決算を今週に控えるなかで米国では期待が先行してハイテク株が上昇していることから、日経平均でもハイテク株の動向がポイントとなりそうです。

(マネックス証券 ジュニア・アナリスト 岡 功祐)