東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反落となりました。355円安の37,724円で寄り付いた日経平均は大きく下げ幅を広げると前引け5分前に1,346円安の36,733円まで下落すると1,260円安の36,818円で前場を終えました。

節目の37,000円を回復し1,016円安の37,062円でスタートした後場の日経平均は14時40分過ぎに819円安の37,259円まで戻しましたが、その後引けにかけて下げ幅を広げると結局1,011円安の37,068円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

さくらインターネット(3778)が19.3%上昇しストップ高となりました。経済産業省が人工知能(AI)を開発する際に使うスーパーコンピューターの国内整備に乗り出し、さくらインターネットに501億円の補助金を出すと伝わったことで買いを集めました。

ステーキ店を運営するブロンコビリー(3091)も一時12.6%高となり年初来高値を更新しました。数量限定のステーキメニューの投入など高付加価値商品に力を入れたことで、客数が増え、客単価も上昇したことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で2.6倍となったことから大幅高となりました。

また、中東情勢の緊迫化による海運運賃の上振れ期待から海運株が高く、日本郵船(9101)が一時3.4%高、商船三井(9104)も一時3.2%高となりました。川崎汽船(9107)も一時3.1%高となりましたが、買い一巡後に伸び悩むと小幅に下げて取引を終えています。

さらにサイゼリヤ(7581)が目標株価の引き上げを受けて一時3.9%高となっています。

一方で半導体受託生産の台湾のTSMC[TSM]が2024年の半導体業界全体の生産見通しを下方修正したことで半導体関連銘柄が売られました。東京エレクトロン(8035)が8.7%安、アドバンテスト(6857)が一時6.1%安、SCREENホールディングス(7735)が一時10.3%安、レーザーテック(6920)が一時10.0%安、ディスコ(6146)が一時9.0%安、ソシオネクスト(6526)も一時10.9%安となっています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は1,011円安となりました。昨日の米国市場でのハイテク株安に加え、イラン領内で複数回の爆発音があったとの報道を受けて中東情勢の悪化を警戒した売りが出て大きく下げ幅を広げました。

しかし一時は1,300円以上下げ、節目の37,000円を割り込みましたが、100日移動平均線(36,709円)をサポートに下げ渋ると後場に入ってやや持ち直し37,000円を上回って取引を終えました。来週は米国で決算発表が一段と本格化します。

また、日本でも決算発表が始まります。日米の決算発表を支えに下落基調に歯止めをかけることができるかが来週はポイントとなりそうです。なお、19日の米国ではプロクター・アンド・ギャンブル[PG]やアメリカン・エキスプレス[AXP]などが決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)