2024年4月8日、東証スタンダード上場企業であるメタプラネット(3350)が新株予約権で調達する約9億円をもとにビットコインを購入する計画を発表した。この発表を受けて同社の株価は2倍近くまで高騰し、日本の暗号資産界隈でも同社の名前が話題になった。

このニュースを見て、時価総額40億円程度の会社が起死回生の一手としてビットコインに手を出したと冷ややかな見方をする人もいるだろう。外国資本の入った会社で純粋な日本企業であるとも言えない。 しかし、なぜ今の時期に日本で活動する企業がビットコインを購入するのかについては真摯に考えなければならない。

メタプラネットのIR資料では、ビットコインを購入した背景について次のように書かれている。

“過去数年に及ぶ円安及び長年に渡るマイナス金利政策の影響で、日本円の世界における主軸通貨としての位置付けは弱まっていくばかりであります。

“今回調達した資金をキャッシュ・マネジメント戦略の一環としてビットコインに投資・保有することで保有通貨を分散し、日本円のエクスポージャーを低めた自己ポジションを構築する予定です。

つまり、メタプラネットは日本円の価値が下がり続けている状況で、そのインフレヘッジの手段の一つとしてビットコインに投資する決断を下したということである。

前回のコラム(3月18日付『金余り相場で日本円だけを保有するリスクとビットコインを保有しないリスク』)では世界的な金余り相場で日本円を保有するリスクとビットコインを保有しないリスクについて述べた。 同じ法定通貨の中でも特に日本円はここ数年で急速に安くなっており、その対策は個人にとっても企業にとっても急務である。その中で日本の企業が円安進行のリスクヘッジでビットコインを購入する動きが出てきたことは必然だろう。

今では世界最大のビットコイン保有企業として知られる米国のマイクロストラテジー[MSTR]も、2020年より法定通貨のインフレヘッジとしてビットコイン購入をスタートし、それによって大きな利益を得ている。

メタプラネットがマイクロストラテジーをモデルケースとしてビットコイン購入を継続するかはわからないが、この動きに追随して他の日本企業もビットコイン購入を検討することは考えられる。 それによりビットコインの中長期的な保有の量が増えれば、相場も安定的に成長することが期待できるだろう。