東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米国株高を受けて反発となりました。399円高の39,391円で寄り付いた日経平均はさらに上げ幅を広げると11時過ぎに625円高の39,617円まで上昇しました。しかし、前引けにかけてやや上げ幅を縮めると525円高の39,517円で前場を終えました。

417円高の39,409円でスタートした後場の日経平均は14時40分前に204円高の39,197円まで上げ幅を縮めましたが、その後持ち直すと結局354円高の39,347円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

キユーピー(2809)が一時17.9%高となり年初来高値を更新しました。海外の成長や国内高質化の取り組みに加え、主原料高の影響が当初想定より和らぐことなどにより255億円とみていた2024年11月期の営業利益の見通しを310億円に上方修正したことで買いを集めました。

三菱電機(6503)も一時3.5%高となりました。成長領域と位置づけるファクトリーオートメーション(FA)システムに経営資源を集中するため配電用変圧器事業を日立産機システムに譲渡すると発表したことを好感した買いが入りました。

システム開発のジャステック(9717)も21.3%上昇しストップ高となり年初来高値を更新しました。NTTデータグループ(9613)傘下のNTTデータがジャステックにTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことでTOB価格にさや寄せする格好で上げ幅を広げました。

トーセイ(8923)も一時8.9%高となり上場来高値を更新しました。不動産開発と不動産賃貸、不動産管理、ホテルの各事業が堅調に推移していることにより第1四半期の営業利益が前年同期比で41.4%増となったことから大幅高となりました。

また、先週末の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄が高く、なかでもソシオネクスト(6526)が一時9.0%高、ディスコ(6146)も一時5.3%高となり、ソシオネクストは年初来高値を更新しました。

さらに富士通(6702)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時6.4%高となったほか、アシックス(7936)も目標株価の引き上げを受けて一時4.9%高となり上場来高値を更新しています。

一方でウェザーニューズ(4825)が一時4.3%安となり年初来安値を更新しました。海外やIT(情報技術)関連の人材を強化したことで人件費などが増えたことなどにより第3四半期の営業利益が前年同期比で8.9%減となったことから売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は354円高となりました。3月の米雇用統計で平均時給の伸びが鈍化し賃金インフレへの懸念が後退。先週末の米国市場が反発となったことで買いが優勢となり、一時は620円以上上げ節目の39,500円を上回り39,600円台を付ける場面もありました。

しかし、後場に入って伸び悩むと上げ幅を縮め39,500円を下回って取引を終えました。そのため上値の重さがやや意識されそうですが、節目の39,000円を回復し一日を通して堅調に推移したことから警戒ムードも一旦後退しそうです。

なお、先週から小売り企業を中心とした2月決算銘柄の本決算発表がスタートしています。本日も引け後にはウエルシアホールディングス(3141)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)