東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反落となりました。535円安の39,237円で寄り付いた日経平均は直後に498円安の39,274円を付けた後下げ幅を大きく広げると11時前に998円安の38,774円まで下落しました。
その後下げ渋ると後場に入って節目の39,000円を回復する場面もありましたが、39,000円を上回ったところでは上値が重く結局781円安の38,992円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
本決算を発表したオンワードホールディングス(8016)が15.6%高となり年初来高値を更新しました。国内事業の増収基調が続くほか、欧州を中心に海外事業も収益が改善するとみられることから2025年2月期の営業利益が前期比で11%増となる見通しを示したことで買いを集めました。
同じく本決算を発表したカジュアル衣料大手のアダストリア(2685)も一時5.1%高となりました。商品単価の見直し継続や値引きの抑制などにより2025年2月期の営業利益が前期比で5.5%増となり2024年2月期に続いて最高益を更新する見通しを示したことで上げ幅を広げる場面がありました。
ハイデイ日高(7611)も一時4.7%高となりました。2024年2月期の営業利益が前の期の約7倍の45億円前後となりそうで、新型コロナウイルス禍が本格化する前の2020年2月期を上回った公算が大きいと伝わったことで買いが優勢となりました。
一方で不二越(6474)が一時6.0%安となりました。中国の景気減速でロボットや建設機械向けの油圧機器の販売が落ち込んだことに加え、原材料の価格高騰もあり第1四半期の営業利益が前年同期比で69.8%減となったことから大幅安となりました。
第3四半期決算を発表した三協立山(5932)も一時10.6%安となりました。欧州経済の景気低迷による電気自動車向けの販売量が想定以上に減少していることや、国内において物価高等の影響による住宅投資の減退で建築市場の低迷が継続していることなどから60億円とみていた2024年5月期の営業利益の見通しを35億円に下方修正したことで売りが膨らみました。
また、昨日の米国市場で半導体株が売られた流れを受けて日本市場でも半導体関連株が安く、東京エレクトロン(8035)が一時5.9%安、SCREENホールディングス(7735)が一時5.0%安、アドバンテスト(6857)が一時4.9%安、レーザーテック(6920)が一時4.1%安、ディスコ(6146)が一時5.1%安、ソシオネクスト(6526)も一時8.3%安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は781円安となりました。米連邦準備制度理事会(FRB)高官が利下げに慎重な見方を示したことに加え、中東情勢の緊迫化や原油高によるインフレ懸念も重石となり昨日の米国市場でダウ平均が530ドル安となったことで大幅下落となりました。
また、昨日に320円以上上げながら25日移動平均線の回復に失敗し、上値の重さが意識され先高感がやや後退していたこともあって売りに勢いがつき下げ幅が1,000円に迫る場面もありました。そのため警戒ムードが一段と強まりそうで、目先の下値のめどとしては3月13日の終値(38,695円)が意識されそうです。
なお、2月決算企業の本決算発表が今週からスタートしています。本日も引け後には安川電機(6506)などが決算を発表する予定です。さらに日本時間の21時30分には3月の米雇用統計が発表となる予定です。米連邦準備制度理事会(FRB)による今後の金融政策を占ううえで関心が高い経済指標だけにマーケットの反応が注目されます。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)