【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,512.13  △401.37 (3/20)
NASDAQ: 16,369.41  △202.62 (3/20)

1.概況

19日の米国市場は2月の米住宅着工件数が市場予想を上回る伸びとなったことで消費関連株を中心に買いが入り続伸となりました。29ドル高でスタートしたダウ平均は直後にマイナスに転じましたが、29ドル安で下げ渋ると持ち直し昼過ぎに314ドル高まで上昇しました。その後は一旦伸び悩みましたが、引けにかけて再び上げ幅を広げると結局320ドル高の39,110ドルとほぼ高値引けで取引を終えています。また、S&P500株価指数が29ポイント高の5,178ポイントとなり12日に付けた史上最高値(5,175ポイント)を更新したほか、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も63ポイント高の16,166ポイントとなっています。

20日の米国市場は米連邦公開市場委員会(FOMC)で米連邦準備制度理事会(FRB)による年内3回という利下げ見通しが維持されたことを好感した買いが入り3日続伸となり、主要3指数が揃って史上最高値を更新しました。38ドル安でスタートしたダウ平均は直後に122ドル安まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋るとその後は前日の終値を挟んでもみ合う展開がしばらく続きました。しかし、米連邦公開市場委員会(FOMC)の結果を受けて買いが優勢になると上げ幅を大きく広げ結局401ドル高の39,512ドルで取引を終え、2月23日に付けた史上最高値(39,131ドル)を更新しています。また、S&P500株価指数も46ポイント高の5,224ポイントとなり前日に続いて史上最高値を更新したほか、ナスダック総合株価指数も202ポイント高の16,369ポイントとなり1日に付けた史上最高値(16,274ポイント)を更新しています。

2.経済指標等

19日に発表となった2月の米住宅着工件数は年率換算で前月比10.7%増の152万1000戸となり市場予想を上回りました。また、米連邦準備制度理事会(FRB)は20日に開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を5会合連続で据え置くことを決めました。さらに2024年末時点の政策金利見通しは2023年12月会合時点と変わらずの4.6%となり、年内3回としていた利下げ見通しを維持しています。

3.業種別動向

19日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうちコミュニケーション・サービスを除く10業種が上げ、エネルギーが1%余り上昇したほか、公益事業も1%近く上げています。

20日の業種別S&P500株価指数は全11業種のうち9業種が上げ、一般消費財・サービスとコミュニケーション・サービス、金融、資本財・サービス、情報技術が1%以上上昇しています。一方でヘルスケアとエネルギーの2業種が下げています。

4.個別銘柄動向

19日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中27銘柄が上げました。そのなかでもホーム・デポ[HD]が2%高となったほか、マクドナルド[MCD]とアップル[AAPL]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、ナイキ[NKE]、ハネウェル・インターナショナル[HON]、ゴールドマン・サックス[GS]も1%以上上昇しました。一方でインテル[INTC]とジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、シスコシステムズ[CSCO]の3銘柄が下げ、インテルは1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、開発者会議で生成人工知能(AI)開発向けの新たな半導体を発表したエヌビディア[NVDA]が1%余り上げています。

20日の米国市場でダウ平均構成銘柄は30銘柄中28銘柄が上げました。そのなかでもボーイング[BA]が3%を超える上昇となったほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]とスリーエム[MMM]、ダウ[DOW]、ゴールドマン・サックス[GS]も2%以上上げています。一方でシェブロン[CVX]とジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]の2銘柄が下げ、シェブロン[CVX]は1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、半導体株が高くマイクロン・テクノロジー[MU]とクアルコム[QCOM]が2%を超える上昇となり、テキサス・インストゥルメンツ[TXN]も2%近く上げました。エヌビディア[NVDA]とウエスタン・デジタル[WDC]も1%以上上昇しています。また、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も5%を上回る上昇となっています。さらに主力ハイテク株も堅調でテスラ[TSLA]が2%を超える上昇となり、フェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]も2%近く上げました。グーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とネットフリックス[NFLX]も1%以上上昇しています。

5.為替・金利等

19日の長期金利は0.03%低い4.29%となりました。20日の長期金利は0.02%低い4.27%となりました。ドル円はさらに円安となり151円前後で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場が続伸となり主要3指数が揃って史上最高値を更新したことや、円安が進んでいることから上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は4日に付けた史上最高値(40,109円)を超えて上げ幅を広げる展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)